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水使用で新規建設に異論も データセンターが集中するアリゾナ州の街

 データセンターの建設が活発だ。米南西部のアリゾナ州メサ市で最近、巨大なデータセンターの建設にゴーサインが出た。地元には雇用や税収などの恩恵が見込まれるが、水使用について市幹部の間では議論も起こった。米国西部は、いま深刻な干ばつに見舞われている最中だ。水資源が注目されたことから、このデータセンター計画もメディアの関心を集めている。

年5億ガロンの水を使う巨大データセンター

 メサ市議会で今年5月、大規模なデータセンターの開発計画が承認された。総面積は300万平方フィート(約27万8700平方メートル)、建設費8億ドルという大型プロジェクトで、地元には、それ以上の投資があると期待されている。

 しかし、計画の推進決定は全員一致ではなく、強く反対する声もあった。地元紙EastValleyTribuneによると、同市副市長のJenn Duff氏は、賛成6票に対して、1人反対票を投じ、「私はメサ市の水について、極めて深刻に懸念している」との声明を出した。

 同氏は「1日170万ガロン(約6400立方メートル)を消費する巨大データセンターは、良心から承認できない。データセンターは責任ある水の使い方ではない。そろそろやめて、他の製造業やテクノロジー企業の進出を認めるべきだ」と主張している。

 業界誌Data Center Dynamics(DCD)などによると、このデータセンターの年間水消費量は、第一段階の1億8000万ガロン(約68万立方メートル)から、5億ガロン(約190万立方メートル)へと3段階で増えてゆく計画だ。

 新しいデータセンターは、人口約50万のメサ市で「8番目から9番目」(Duff氏)にあたる。既に、Apple、NTTなどが立地しているほか、Googleも大規模センターを建設中だ。市が「Elliot Road Technology Corridor」(エリオットロード・テクノ回廊)として進めてきた誘致策の成果である。

 新データセンターの事業主の名は、秘密保持契約で公表されていない。DCDは、建築費と面積、地方に構築をする手法などから、Facebookだと推測している。