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5G/エッジ/クラウドを加速するか オープンソースのプラットフォーム「Aether」

 ネットワークインフラ技術を開発する非営利団体ONF(Open Networking Foundation)がオープンソースの“コネクティビティ・アズ・ア・サービス”プラットフォーム「Aether」を発表した。5G/4G(LTE)、ライセンス不要の周波数帯などを利用でき、主要クラウドとの親和性も備える。企業はAetherを利用して、より低コストにプライベートモバイルネットワークを実装できるという。

企業の5G/エッジ/クラウド・プラットフォーム

 ONFは、SDN(ソフトウェア定義ネットワーク)と、その基盤技術である「OpenFlow」の普及と商用化を目指すコンソーシアムで、AT&Tやドイツテレコム、NTTグループ、Google、Intelなど13の「パートナー」を含む200超のメンバーで構成されている。

 これまでも、オープンなRAN(無線アクセスネットワーク)の仕様O-RAN(Open Radio Access Network)に準拠した「SD-RAN」、マルチアクセスとコアを融合する「Converged Multi-Access and Core」(COMAC)、モバイルコアの「Open Mobile Evolved Core」(OMEC)などのプロジェクトを進めてきた。

 Aetherは、これらのプロジェクトを基盤として、分散型企業ネットワーク向けにモバイル接続とエッジ・クラウドサービスを提供するプラットフォームだ。コントロールと管理の「Aether Management and Control」、サービスの「Connectivity as a Service」、エッジとスモールセルの「Enterprise Edge」という3つの要素を備えたアーキテクチャだ。

 マルチクラウド環境での実装向けに設計されたというAether Management and Controlは、さまざまな場所に分散する複数のKubernetesクラスタの管理ができる。これによって、新しいサブスクライバーを追加したり、新しい基地局やエッジクラスタなどを追加しながら、ランタイムのAetherワークフローを管理できるという。

 Connectivity as a Serviceは、Kubernetesクラスタとは別のOMECコントロールプレーン(経路制御などの計算を行う機能)を持ち、Aether Control and Management Platformから管理できる。

 また企業のアプリやプラットフォームとの橋渡しとしてAether API Gatewayを用意。AWS、Azure、GCP(Google Cloud Platform)をはじめ外部のAPIも含まれ、5G/4G、クラウドインフラ、SDNインフラと接続できるという。

 Aetherは、ネットワークで起きている大きな変化から生まれた。