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IT運用にAIを活用 2020年の注目キーワード「AIOps」

真のAIOpsはまだ先

 一方で、AIOpsがまだまだ新しい分野であることも事実だ。TechTargetは「ベンダーのマーケティングとしてのAIOpsに注意せよ」と警告する。

 TechTargetは、IT運用の環境は常に変化しており、それをモデル化することは極めて難しいと言う。また、ハードウェア、仮想システム、複合型アプリなどの依存性を全て考慮しなければならない。

 AIOpsはまだ誕生したばかりで、多くのAIOpsは高度なルールエンジンやポリシーエンジンを使って、よくある問題の改善を自動化するに過ぎず、「真の意味でのAIとはいえない」というのだ。

 そして、「導入する際は、ポートフォリオの再パッケージであることに留意しておくべきだ」と注意を促し、システムの学習方法や、予想しない変更への対応方法などについてベンダーに質問するよう助言している。

 ともあれ、AIOpsの今後の発展は大いに期待できる。

 Diginomicaは今後、AIOpsが、対象を自然言語処理の統合、根本原因解析、異常検出、イベント相関・分析などの分野に広がり、データソース中立型のAIOpsツールも登場するとみている。

 TechTargetも、ツールが改善されて環境全体のモデルが可能になるにつれ、「冪等性」(何度繰り返しても同じ結果が得られること)が出てくると予想。最終的にはAIOpsプラットフォームは、「運用環境のツールキット」から、「アプリケーションホスティング環境のオーケストレーションシステム」となり、BizDevOpsのワークフロー全体を対象とするよう進化するとみている。

 2020年は、IT運用管理へのAI活用元年になると言ってもいいだろう。