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躍進するKubernetes “クラウド界のユニコーン”の課題

活用の課題

 Kubernetesを担ぐRed Hatのテクノロジーエバンジェリスト、Gordon Haff氏は、The Enterprise Projectへの寄稿で、「初心者には複雑すぎる」「アプリ層の進展が遅い」「運用の安全性」の3つをKubernetesの課題として挙げた。

 とっつきにくさは、よく知られている。Kubernetesはコンフィグレーションや運用の手間がかかり、使われている概念や用語もKubernetes初心者には馴染みのないものが多い。

 2つ目の「アプリ層の進展の遅さ」は、Kubernetesとコンテナがサーバー仮想化からのインフラのシフトをもたらすのに対して、「アプリケーション側で、あまり進展がない」ことだという。Googleのプログラミング言語「Go」などの動きはあるものの、「アプリ開発の点から見ると、クラウドネイティブの新しいパターンを直接組み込んでいないツールでコードを書いている」(Haff氏)のが現状だ。

 3つ目のセキュリティでは、2019年に入り、コマンドラインツールkubectlに影響するものなど複数の脆弱性が発見されている。Haff氏はKubeConのセキュリティセッションで、デフォルト設定がセキュリティの面からは最善ではないこと、ポリシーマネジメントのツールが不十分であること、などの指摘があったと報告している。

 こうした活用のための課題のほかに、Kubernetesへの期待の過熱ぶりを指摘する声もある。