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“ポストiPhone”探るApple サブスクリプション一挙発表

Apple Musicに続くことはできるか

 Apple TV+、Apple News+、Apple Arcadeのサービスは、サブスクリプションビジネスという面から分析される。Appleは独自のクレジットカードサービス「Apple Card」も発表しており、エコシステムを目指しているようだ。

 Appleがサブスクリプションを拡充する背景には、iPhoneを収益の柱とする事業構造をシフトさせたい狙いがある。スマートフォン市場が飽和状態にあるなか、Appleはサービス事業を強化している。中でも、サブスクリプションは月額や年額で確実に収入が入る魅力的なビジネスだ。

 Appleは定額音楽サービスの「Apple Music」を2015年に発表している。CEOのTim Cook氏は昨年5月、その利用者を「5000万人」と明かしているが、Billboardは同年末に、Financial Timesを引用しながら「平均すると毎月100万人が追加しており、現在5600万人に達している」と推測している。

 このApple Musicの好調を再現したいところだが、Bluesea Research氏は、動画と音楽は違うと言う。「動画ストリーミングはニュースや音楽とは異なる。Appleは既に、魅力的なオリジナルコンテンツライブラリの構築という点で、課題に直面している」とした。

 なおTubefilterは、今回の発表にはAppleらしくない動きがあると指摘する。「Appleアカウントを持つ14億人のオーディエンスに頼ってない」という点だ。Appleは最新のApple TVアプリを、iPhone、Mac、Apple TVなどApple端末のほかに、Samsung、VIZIO、ソニーなどのスマートTV、そしてAmazonのFire TV、Rokuプレイヤーでも利用できるようにする計画を発表した。

 これまで基本的にハードウェアとソフトウェアを一体として提供してきた同社が、ユーザー基盤を外部に拡大しようとする試みと言える。このことは、Amazonが幅広い層にリーチしようとするのにも似ていると論評している。