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2019年もAI大国に向けて進む中国 米中摩擦の激化要因にも

中国AIベンチャーへの投資が米国を上回る

 中国が、AI立国を掲げているのは周知の通りだ。中国政府は「中国製造2025(Made in China 2025)」でAIを戦略的技術の1つと定めており、2030年に1500億ドル市場にすることを目指している。

 ABI Researchによると、2018年、中国のAIスタートアップへのベンチャーキャピタルの出資額は総額約50億ドルとなり、初めて米国のAIスタートアップよりも多くの資金を集めた。

 Motherboardは加えて、中国のSensetimeが世界で最も評価額が高いAI企業であるとも指摘する。Sensetimeは顔認識など画像認識技術を持っており、中国の政府機関などの監視カメラに採用されているという。調査会社のCB Insightsによると、同社の評価額は45億ドルだ。

 また、Motherboardは中国AIの隆盛を支える“手作業”も紹介している。小規模な街で生まれる「データラベル付け」という新しい職業で、AIで不可欠なデータのラベリングを行うものだ。河南省にある人口31万人の民権県の新興企業は、PCの画面を前に若者たちが画像にラベル付けを行っていた。月収は2000元から4000元(290ドル~580ドル)程度。中国の可処分所得の平均額レベルだという。

 レポートによると、多くは20代の若者で「新しいブルーカラー」としている。画像は1400万件以上のイメージが集まるイメージデータベースImageNetから使われることが多いが、多くの若者はその画像が何に使われるのかなど詳細を知らなかったという。またラベリングは、以前は画像が中心だったが、音声や動画なども増えているとのことだ。