Infostand海外ITトピックス

マルチクラウド、プライベートクラウドが続伸? 2019年クラウド業界予想

追い風を受けるAzure、伸長するAlibaba

 Datamationは、マルチクラウド化はMicrosoftに有利に働くとする。Microsoftはオンプレミスの顧客を多く抱え、ハイブリッドクラウドで差別化してきた。以前から2位の座を守ってきたAzureだが、「AWSに加えて、もう1社クラウド事業者を加えようとする企業では、Azureが選ばれることが多い」という。実際、Synergyの調査でも、最も成長率が高いのはAzureだ。

 Network Worldは、MicrosoftとIBMを「レガシーを持つクラウド事業者」に、AWSとGoogleを「レガシーを持たない事業者」に分類し、MicrosoftとIBMはレガシーによって有利な地位を築いていると分析した。

 そして、先ごろの年次イベントでAWSがオンプレミスサービス「Amazon Outposts」を発表したこと、GoogleがOracleでクラウドを率いてきたThomas Kurian氏を雇い入れたことを紹介しながら、これから「AWSとGoogleによるハイブリッドクラウドへのフォーカスが本格化する」と予想する。

 AWSとGoogleが今後、ハイブリッドおよびマルチクラウド分野でさらなる強化を行うかが注目される。

 Forresterは、市場のパイそのものが大きくなっていることから、大手6社(Alibaba、Amazon Web Services、Google、IBM、Microsoft Azure、Oracle)はクラウドのメニューと展開地域を増やすことで今後も拡大すると予想。中でも中国発のAlibabaは、AWS、Google、Azureの3大クラウドに挑んでゆくと見る。

 DatamationもAlibabaを注目株に挙げる。Synergy Research Groupの「クラウドインフラサービス」市場(IaaS、PaaS、ホステッド型プライベートクラウドを指す)のデータを紹介し、30%以上のシェアを誇るAWS、15%程度のAzure、僅差で3位と4位に位置するIBMとGoogleに次いで、Alibabaが5位につけているとしている。なおSynergyによると、この上位5社で市場75%のシェアを占めるという。