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MicrosoftがLinux採用製品を投入 IoTで全面攻勢

IoTに50億ドル

 Windowsが太陽ではなくなった時代、太陽はクラウド、つまりAzureなのか? Nadella氏の従業員宛てメモのタイトルではMicrosoftの将来を、「インテリジェントなクラウドとインテリジェントなエッジ」としている。つまり、組織再編から約2週間後に発表した「Azure Sphere」は、エッジを担う最初の本格的な製品ということになりそうだ。

 Microsoftによると、毎年90億台以上のMCU搭載デバイスが構築・実装されているが、多くはインターネットに接続されていないという。90億という数は、世界の人口をも上回るレベルだ。Azure Sphereはこの巨大な市場に、接続性と安全性を備えた「ターンキーソリューション」を提供するという。

 伏線はあった。MicrosoftのAzure担当コーポレートバイスプレジデントのJulia White氏は4月4日付の公式ブログで、「Microsoftは今後4年でIoTに50億ドルを投じる」と発表している。

 White氏はここで、「IoTがインテリジェントエッジに進化する」としながら、MicrosoftのIoTプラットフォームはクラウド、OS、デバイスを網羅していることに触れる。「MicrosoftはIoTの旅を簡素化する。顧客は自社のビジネスや顧客体験を改善するソリューションを容易に構築できる」と記している。

 Azure SphereでMicrosoftは、チップメーカー向けにSoCの設計をロイヤルティフリーで提供する。適用第一号はMediaTekの「MT3620」で、コントローラーにはARM Cortex-A、2基のCortex-Mコアが含まれる。The Registerはここに着目し、「MicrosoftがArm Linux IoTチップを設計した」と組み合わせの意外性を表現した。

 「Win-tel」と言われた時代には考えられなかったような状況であり、Microsoftの変化を感じずにはいられない。なお、Azure Sphereを発表したSmith氏といえば、2000年始めには独占禁止法訴訟に際してのコメントなどで頻繁に登場していた人物だ。

 50億ドルという投額額は大きい。Azure Sphereの発表の前、4月4日付のNetwork Worldの記事で、Forrester Researchのアナリストは「Azure IoT Suite」が好調である点に触れながら、この資金が、製品に加え、Azureのさらなる拡充や、企業買収に使われる可能性もあるとコメントしていた。

 MicrosoftのIoTでの攻勢は、まだ始まったばかりだと言える。