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クラウド業界はAI開発フレームワークで協力するか? 手を組むAmazonとMicrosoft

「最も奇妙な同志」

 MicrosoftとAmazonはクラウド市場のシェアを競ってはいるが、最近、AI分野で接近しているように見える。両社は8月末、音声アシスタントのAlexaとCortanaを年内に相互接続すると発表した。New York Timesによると、AmazonのJeff Bezos氏が、MicrosoftのSatya Nadella氏に持ちかけた話で、2016年5月に両氏がイベントで同席したのがきっかけだったという。

 またMicrosoftは、異なるディープラーニング・フレームワークの相互運用性を目指すプロジェクト「ONNX(Open Neural Network Exchange)」を9月7日に発表している。CNTKのほか、Facebook推奨のCaffe2などのフレームワークをサポートする。Gluonプロジェクトと同じ指向で、今後、参加ベンダーは増えてゆく可能性がある。AI周辺ではライバル間の協力がトレンドになっているようだ。

 TechCrunchは、MicrosoftとAmazonの提携を「クラウドで最も奇妙な同志」としながら、競争よりも協力のメリットが大きいためと解説する。その理由として「クラウドでは顧客がすべてであるため、ベンダーたちは協力することになる。サブスクリプションモデルでは顧客第一でなければならず、ベンダーのツールには相互運用性が要求されるのだ」と述べている。

 一方、いくつかのメディアは、提携を「対Google」という視点から伝えている。