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OpenStackは“金のならない木”か? 「Summit」とベンダーの人員削減

 オープンソースのクラウド基盤プロジェクトOpenStackのカンファレンス「OpenStack Summit 2016」が10月末に開催された。16のベンダーが相互運用性を示すデモを行うなど盛り上がりが報じられる一方で、Hewlett Packard Enterprise(HPE)、MirantisなどのベンダーがOpenStack開発者を解雇するという不吉なニュースも出ている。OpenStackをめぐる状況は――。

16社が同時に相互運用性をデモ

 スペイン・バルセロナで10月25日から4日間開催された「OpenStack Summit 2016」には、世界50カ国から5000人以上が集まった。会期中、欧州原子核研究機構(CERN)、地元の金融機関Banco Santander、通信事業者のSky UK、Deutsche Telekomらの代表者が、OpenStackのユーザーとして基調講演に登壇した。

 今年はDesign Summitを2つに分け、開発にフォーカスしたProject Team Gatheringsが新たに設けられた。OpenStack Foundationによると、5月に開始した初の管理者認定試験はこの5カ月で500人が受験したという。また、会期中、Deutshche Telekom、China Mobileなど4社が新たにゴールド会員としてOpenStack Foundationに参加した。

 ハイライトとしては、16社による相互運用性のデモ、ネットワーク機能の仮想化NFVをベースにOpenStackを用いた障害管理のデモが注目を集めた。中でも話題となったのが“Interop Challenge”という相互運用性のデモ。AT&T、Canonical、Cisco、Huawei、IBM、Mirantis、VMwareなど16社が参加し、それぞれのハードウェアアーキテクチャの上でOSを動かし、その上にOpenStackベースのディストリビューションやパブリッククラウド上で同じアプリケーションと自動化ツールを実行するというものだ。

 ZDNetのオープンソース担当記者は、16社の代表がずらりと並んでPCの前に座ってデモを行っている写真とともに、「16のベンダーはものの10分もしないうちに、同じプログラムを動かすことができた。AWSからMicrosoft Azureにアプリケーションをこんなに簡単に動かすことができるか、やってみればいい」と興奮気味に記している。