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IoTの「モノ」再考 重要なのはデバイスではない

根強いセキュリティ懸念

 一方でIoTの広がりからくる懸念も再浮上している。Huffington Postのブロガーはベビーブーマー向けにIoTを解説しながら、セキュリティの問題を挙げる。

 2015年のセキュリティカンファレンス「Black Hat」でSUVの「Jeep Cherokee」を乗っ取るデモがあったこと、今年のBlack Hatではコンピューターワームを使って医療システムをハッキングしたり、ATMスキミングがいかに簡単かを解説するセッションがあったことなどを紹介している。

 「水曜日の午後、家が不在になると知ったサイバー泥棒が、スマート錠をハッキングして貴重品を盗み出すことは簡単かもしれない」とし、スマートシステムが、必ずしも家を安全にするものではないと警告する。

 また、Business Insiderが企業を対象に聞いたところ、やはり機密情報の保護がIoTにまつわる懸念としてトップになったという。それでも、(1)運用コストの削減、(2)生産性の向上、(3)新規市場拡大と新規の製品開発、の3つが大きな要因となって、IoTソリューションの受け入れが進むと予想する。なお、企業に次いでIoTを受け入れるのは政府・公共機関で、コンシューマは最後と予想している。

 BI Intelligenceは、2020年にはIoTソリューションの市場規模は60億ドルに、そして2025年には13兆ドルに達すると予想している。