クラウド&データセンター完全ガイド:プロダクトレビュー DCを支える黒子たち

幅広いポートフォリオでさまざまなストレージニーズに対応――Lenovo ThinkSystem DM/DEシリーズ

弊社刊「クラウド&データセンター完全ガイド 2019年冬号」から記事を抜粋してお届けします。「クラウド&データセンター完全ガイド」は、国内唯一のクラウド/データセンター専門誌です。クラウドサービスやデータセンターの選定・利用に携わる読者に向けて、有用な情報をタイムリーに発信しています。
発売:2018年12月22日
定価:本体2000円+税

データ本位のビジネスではストレージの選定がキモ

 “データドリブンビジネス”への取り組みが当たり前になりつつある昨今では、ストレージの重要度がますます増大している。いかに適材適所でストレージ製品を選択し、コストとパフォーマンスの最適化を図っていくかがポイントだ。

 ストレージは、ニーズに応じてさまざまな技術や構成が用いられる。しかし、技術的な最適化に集中することで、マルチベンダー化が進みすぎ、運用コストが肥大化するという恐れもある。単に技術や初期費用のみで製品を選定するのではく、ストレージベンダーの製品ポートフォリオや管理ツール、サポート体制などにも注意を向ける必要がある。

 レノボは2018年10月、ユニファイドストレージ「Lenovo Think System DMシリーズ」3 製品、ブロックストレージ「Lenovo Think System DEシリーズ」3製品を発表した。

 レノボは、このポートフォリオの大幅な拡充によって、エントリーからハイエンドまで、幅広いユーザーニーズに応えられる製品を統合的にサポートできるようになるとしている。

写真1:ThinkSystem DE6000F

老舗NetAppの技術を吸収したユニファイドストレージ

 この新発売に先駆けてレノボは、ストレージソフトウェア製品で著名なNetAppと協業し、同社のストレージ技術をレノボのストレージ製品へ統合することを発表している。その結果として、Lenovo ThinkSystem DMシリーズには、NetAppのストレージ管理ソフトウェア「ONTAP」が搭載された。ONTAPは、データ・コンパクションや圧縮、重複排除といった強力なインライン・データ容量削減技術を実装しており、パフォーマンスを劣化させることなく実データ容量を大幅に削減できる。

 ThinkSystem DMシリーズは拡張性に優れ、NAS環境で最大70.5PB、SAN環境で最大35.3PBまで強化できる。オールフラッシュモデルであれば、最大400万IOPSものパフォーマンスを実現でき、各種RDBやサーバー仮想化、VDIといったアプリケーションに適している。

コストパフォーマンスに優れるSAN ストレージ

 ThinkSystem DEシリーズは、高い性能や信頼性をシンプルな構成で実現でき、消費電力や冷却、占有スペースなどを抑え、コストパフォーマンスに優れたSANストレージだ。SASによる接続のほか、FCやiSCSIなどのプロトコルにも対応する。

 オールフラッシュアレイのDE6000Fは、最大100万IOPS、レイテンシーは100マイクロ秒未満、スループットは最大21Gbpsに達する。エントリー向けのオールフラッシュアレイDE4000Fは、2U型の省スペースタイプで、30万IOPSと100マイクロ秒以下のレイテンシー、10Gbpsのスループットを実現する。データ保護に重要な可用性機能も豊富で、さらに広帯域な通信が求められるビッグデータ分析、ビデオ通話、バックアップといった要件に適している。

 高速なフラッシュと安価なHDDを混合できるハイブリッドフラッシュアレイも用意されており、高いパフォーマンスと大容量を同時に実現することも可能だ。同モデルには、RAID管理を簡素化する「動的ドライブプール(DDP)」技術が搭載されており、ドライブに不具合が発生したときにも高速に再構築を実行する。

 DMシリーズと同様に、Lenovo XClarity管理ソフトウェアに対応しており、統合管理によって運用負荷を軽減することが可能だ。