2018年8月1日 06:00
弊社刊「クラウド&データセンター完全ガイド 2018年夏号」から記事を抜粋してお届けします。「クラウド&データセンター完全ガイド」は、国内唯一のクラウド/データセンター専門誌です。クラウドサービスやデータセンターの選定・利用に携わる読者に向けて、有用な情報をタイムリーに発信しています。
発売:2018年6月30日
定価:本体2000円+税
データセンターの環境性能指標は、2011年より国際標準化が始まり、主な指標は2016年から翌年にかけてISO/IECより正式発行された。日本はこの標準化で米国とともに牽引役を担い、指標導入に取り組んできた日本データセンター協会は、その経験と知識を提案、標準化に貢献した。
国際標準となった環境性能指標
データセンターの環境性能(エネルギー効率)指標は、国際標準化が2011年よりISO/IEC SC39にて開始され、PUE、REF、ITEE、ITEUの4つ※1と、これらを使って総合評価するDPPE※2の各指標(図1)を中心に検討が進められてきた。そして、2016年から翌年にかけて国際標準として正式に発行された。
これらの指標のうちPUE以外はすべて日本で発案され、グリーンIT推進協議会(当時、現JEITA内の委員会)を中心に2008年より提唱、普及に努めてきた。国際標準化でもこれらの指標を提案。日本は米国とともに標準化において牽引役を担った。
※1:それぞれ、PUEはPower Usage Effectiveness、REFはRenewable Energy Factor、ITEEはIT Equipment Energy Efficiency、ITEUはIT Equipment Utilizationの略。
※2:DPPEはDatacenter Performance Per Energyの略。
JDCC環境・基準WGと国際標準化
データセンターの効率向上には標準化された指標による評価が必須である。そこで、日本データセンター協会(JDCC)では協会設立初期に環境・基準WGを設置。指標の動向調査と普及、業界への導入に取り組んできた。
2010年には「PUE計測・計算方法に関するガイドライン」の初版を公表。SC39に先行し、共通解釈に基づく国内PUE導入を先導してきた。
国際標準化についてもJEITA内に設置されたSC39国内委員会に参画。本ガイドラインの策定、導入と運用の実践で蓄積してきた知識と現場意見の反映にあたった。複合ビル型や吸収式冷凍機採用データセンターでのPUE計算方法はその代表例であり、国内実態に適うようにしたものである。