クラウド&データセンター完全ガイド:特別企画

日本ノーベル - 「見える化」を「省エネ化」の推進力に──大阪大学・新データセンターの選択

iDCNavi
日本ノーベル
http://www.jnovel.co.jp/

省エネ化は、データセンターを持つ企業・組織に共通した課題だ。その課題解決の一手が空調の効率性を高めることであり、日本ノーベルが提供するデータセンター環境監視システム「iDCNavi」は、まさにそのための仕組みだ。本稿では、同システムを利用する大阪大学の事例を通じて、iDCNaviの効果を明らかにする。

徹底した省エネ運用を目指して

 大阪大学は2014年12月、新設したデータセンター(サイバーメディアセンター ITコア棟)にNECのスーパーコンピュータ「SX-ACE」を導入した。その際、併せて採用を決めたのが、日本ノーベルのデータセンター環境監視システム「iDCNavi」だ。iDCNaviは、施設内に設置したセンサーを通じて、データセンターの温度・湿度・電流などをリアルタイムに計測・監視し、収集したデータからセンターの状態を可視化する仕組みである。これを用いることで、データセンター全体の温度分布・電流分布やサーバラックごとのヒートマップ・湿度マップ、使用電力がグラフィカルに表示され、空調・冷気循環の効率化に向けた機器配置・配線の設計・調整がしやすくなる。また、監視を通じて異常が検知された際には、監視画面に即座にアラートが表示されるほか、メールによる自動通知も行われる。

大阪大学サイバーメディアセンター 応用情報システム研究部門 伊達進准教授

 従来、大阪大学では、人が巡回することでデータセンターの状態を確認していた。だが、それではデータの収集に手間がかかるばかりか、分析にも時間を要し、省エネ化を図る手だてをスピーディに割り出すことが難しくなる。iDCNaviは、そうした問題の解決手段として採用された。また、iDCNaviが、「顧客の要望に応じた独自機能の追加」を可能としている点も高評価につながったようだ。

 この点に関して、大阪大学サイバーメディアセンター 応用情報システム研究部門の伊達進准教授は言う。

 「省エネ化に向けて、我々は、温度・湿度・電流のみならず、気圧や風量・漏水なども計測したいと考えました。機能拡張が可能なiDCNaviならば、そうしたニーズが柔軟に満たせると判断したのです」

可視化で省エネ活動が活発化

 iDCNaviの導入により、大阪大学では、データセンターの状態を「知りたいときに知りたいかたち」で把握できるようになった。これにより、「どこをどうすれば、さらなる節電につながるかの議論が活発になりました」と伊達准教授は語る。環境データの可視化で省エネに対する意識が高まり、活動がアクティブになったのだ。

図:大阪大学サイバーメディアセンターITコア棟内 環境監視システムイメージ

 「大阪大学は国立大学です。ですから、環境への配慮は欠かせませんし、税金で賄われるデータセンターの管理費についても無駄遣いは許されません」と、伊達准教授は付け加える。大阪大学のデータセンターには、今後もさまざまなコンピューティング・システムが導入されていく。そのエコな運用を、iDCNaviはこれからも支えていく。

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