2019年7月24日 06:00
データセンターサービス
シーイーシー
https://msp.cec-ltd.co.jp/data_center/
人事給与アウトソーシングサービスを運営する、データセンターの移設が課題
給与計算事業で40年以上の実績を持つセゾン情報システムズのBPO事業部部門を母体として誕生し、2016年にビジネスブレイン太田昭和グループの一員となって設立されたのがBOSだ。人事管理コンサルティング/システム構築、給与計算アウトソーシングといったBPO事業を展開、ビジネスの主軸である人事給与のトータルアウトソーシングサービス「Bulas(ビューラス)」は88社、約18万3,000名に対してサービスを提供している(2017年3月実績)。
そうしたBOSにおいて浮上していた課題が、Bulasを運営するデータセンターの移設だった。同社 執行役員 特命プロジェクト室 室長の保坂和志氏は、「データセンター移設の背景には経営層からのコスト削減要請がありました。そこで2017年から移設に向けたプロジェクトに着手。掲げた主な要件は『Bulasの主なサービスを稼働させているメインフレームのホスティングが可能であること』『今後のBulasの本格的なクラウド化をしっかりとサポートできること』『給与明細等、メインフレームから出力される膨大な帳票の仕分け、加工、配送までをトータルでサポートしてくれること』でした」と語る。
メインフレームの移行でも多くの実績を持つシーイーシーのデータセンターを採用
複数のデータセンターを比較検討した結果、最終的に選択されたのが、シーイーシーの「データセンターサービス」である。首都圏3拠点、近畿1拠点、九州1拠点の5拠点にデータセンターを展開、ITIL準拠の高品質な運用管理と層の厚いエンジニアによりIT業務の効率化とコスト低減を支援するほか、40年以上にわたるシステム構築の実績に基づいた、メインフレーム移行のベストプラクティスを保有しており、移行後の運用・保守、技術サポートをワンストップで提供している点が大きな特徴だ。
保坂氏は「シーイーシーを選択した理由は、コスト要件を満たしていたことに加え、当社が掲げた要望にほぼ応えてくれたことです。また、営業担当者やエンジニアの方々から提案を受ける中で、“顧客のことを第一に考え、最後までしっかりとサポートする”という当社の社風と“同じ匂い”を感じたこともポイントでした」と話す。
シーイーシーの採用を決定したBOSは、データセンター移行プロジェクトに本格的に着手。第1フェーズとして帳票に関する業務と、クラウド化されていたBulasおよびその他システムを運営している仮想/物理サーバーの一部を移行、続く第2、3フェーズで残る仮想/物理サーバーを移設、最終フェーズではメインフレームで運用しているシステムの移行が実施された。
第1フェーズで実施された帳票業務の移行であるが、ファイル連携システムや帳票統合管理システムに登録されたデータ受渡しパターン数は、約1,500にも達していたという。シーイーシーはBOSの要件に応えるため、そうした膨大なパターン数への対応に尽力した。また、メインフレームのホスティング移行も計画の策定から実際のシステム移転までわずか3か月間というタイトなスケジュールが定められていたが、無事、実施できたという。
BOS ソリューション1部ソリューション2課 課長の橋本肇氏は、「Bulasを利用しているお客様にご迷惑をかけないようにするには、システムの停止を1日、2日程度に留めなければなりません。対してシーイーシーは私たちの要望に応え、停止時間を最小限に留めてくれるよう、様々な対応を図ってくれました。また、今回は仮想サーバーを運営する物理サーバーの移転もあり、移行時の事故の発生を心配していましたが、『移行・移設に伴うシステム事故は創業以来0件』の謳い文句どおり、無事、終えることができました」と評価する。
今回のプロジェクトを担当したシーイーシー サービスインテグレーションビジネスグループ データセンターサービス事業部 データセンターサービス部 部長の外薗克哉氏は、「商談の開始時点から移行計画書を作成し、複数のフェーズに分けてスケジュールを定め、スムーズな移行が行えるように努めました」と説明する。
このほかにも、システムの停止時間を最小限に留めるための取り組みとして、シーイーシーのデータセンターへの物理サーバー移転時に、いったん顧客がBulasへアクセスするネットワークの受け入れ口は旧データセンターに残し、そこから新データセンターに転送させる仕組みを用意した。外薗氏は、「旧データセンターと同様のネットワーク環境を当社のデータセンター内に構築、そのまま物理サーバーを移転、電源を入れればすぐにサービスを再開できるようにしました」と説明する。
帳票の仕分け、加工、配送業務の移行、およびメインフレームの移転についても、シーイーシーの手厚いサポートが提供されたという。BOS ソリューション1部ソリューション1課の鍋山則子氏は、「帳票に関する業務の移行についても、『従来の運用のやり方をなるべく変えたくない』という要望に応えてくれ、発送先を間違えずに仕分けや配送を可能とする仕組みを実現してくれました。おかげで移行後も大きなトラブルはなく業務を運営できています。また、メインフレームの移転も『こんなに簡単にできるのか』と驚くほどにスムーズに進めてくれました」と評価する。
外薗氏は、「帳票の配送ミスを防ぐよう、独自にバーコード管理の仕組みを構築するなど、BOS様の要件に対応できるよう努力しました。また、メインフレームの移行でも私たちは多くの実績を持っていますが、先行してテストを行うなど、事前準備を綿密に行い、安全な移行の実現に努めました」と強調する。
年間20%のコスト削減を実現 手厚い運用サポートも評価
今回のデータセンター移行によって、BOSは多くのメリットを享受できている。保坂氏は「年間のシステム運用やデーセンターのコストを20%削減することができました」と話す。鍋山氏は「シーイーシーのサポートにより、日常的な業務の負担が抑制されています。例えば、年末調整などの繁忙期には処理が深夜までおよび、終電で帰れないこともありましたが、そうしたこともほとんどなくなりました」と語る。橋本氏も「運用中にはシステムに予期せぬ事態が発生することも少なくありません。対して、シーイーシーはトラブル対応の手順がきちんと整備されているほか、こちらの要望にも早急に対応してくれます。その結果、お客様に迷惑をかけることなく、安定したサービス運用を実現できています」と評価する。最後に保坂氏は、「今回、お客様にまったくご迷惑をかけることなく、データセンターの移行を行えたことが、シーイーシーに対する最大の評価点です。今後もサービスのさらなるクラウド化や、メインフレームのコスト削減を進めていきますが、引き続きシーイーシーには、手厚いサポートをお願いしたいと考えています」と期待を寄せた。