2018年7月31日 11:30
netXDC
http://www.netxdc.com/
USiZE
https://www.scsk.jp/sp/usize/
デジタルトランスフォーメーションによるビジネス革新が多くの企業で叫ばれる中、データセンター/クラウド事業者には、そうした企業のデジタル変革を支援するためのサービス提供が求められる。対してSCSKは最新のファシリティを有したデータセンターサービス「netXDC」、多様なニーズに応えるラインナップを有したクラウドサービス「USiZE」、そして同社が最も強みとする運用アウトソーシングサービスを基軸として、企業のデジタル変革を力強くサポートしている。
ビジネス成長への貢献が求められるデータセンター
事業の根幹を支える基幹系システムのクラウド化をはじめ、ビッグデータ、IoT、AI等を活用したデジタルトランスフォーメーションの実現によるイノベーション創出など、企業においてはITを用いた業務、ビジネス革新が急務となっている。そうした時代の潮流を捉え、長年、企業のIT基盤を支えてきたデータセンターにも変革が求められている。
SCSKのITマネジメント事業部門 netXデータセンター事業本部 本部長の小坂信三氏は「データセンターを活用した企業のアウトソーシングに大きなニーズの変化が生じています。多くの企業は“クラウドファースト”を標榜し、データセンター上にプライベートクラウドを構築する一方、パブリッククラウドも併用するハイブリッドクラウドを指向するようになっています」と外部環境の変化を概観する。
同事業本部 サービスマネジメント部 部長の大友秀晃氏も「以前は、業務効率化を目的とした「守りのIT」投資であり、IT部門はどちらかと言うとコスト削減を主としてアウトソーシングサービスを利用してきました。しかし、昨今ではデジタルトランスフォーメーションの進展により、“ITでいかに事業を成長させていくのか”といった、ビジネスに貢献する「攻めのIT」投資に焦点が定められるようになっています。
「攻めのIT」と「守りのIT」を両立していくために、「守りのIT」をアウトソーシング化による社員の「攻めのIT」へのパワーシフトと「攻めのIT」の早期実現に向けたパブリッククラウドの柔軟で先進的な技術の利用促進が求められています。」
一方、クラウドサービスの視点からも同事業本部 クラウドサービス部 部長の山中克己氏は「クラウドサービスに対して、IoTやビッグデータ分析、機械学習、ディープラーニングといった最先端のIT活用を期待する企業が増えています。これまではIaaSのようなシステムリソースの導入、運用にまつわるコストと負荷削減がクラウド導入の主目的でしたが、デジタルトランスフォーメーションを支援するクラウドサービスへのニーズが急伸しています」と語る。
デジタル変革時代に対応し進化するデータセンター「netXDC」
そうした外部環境の変化と多様化する顧客ニーズへの対応、そしてデジタルトランスフォーメーション時代の本格到来に対応するべく、SCSKはデータセンターサービス「netXDC」を進化させてきた。
netXDCは、2001年からサービスを開始したデータセンターサービスである(図1)。現在では関東・関西を中心に全国8拠点9センターへと拡大、総床面積は70,000㎡以上と、国内最高クラスの拡張性を有するデータセンターへと成長を遂げている。
ファシリティについても、最新のデータセンターとなる千葉県印西市に建設された「netXDC千葉第2センター」では日本データセンター協会が策定するファシリティスタンダードの最高レベル「Tier4」認証を実現しているほか、FISCやJEITAが定める安全対策基準の適合証明を取得している。受変電容量は2万kVAで、最大3,200kVA/フロアに対応する。平均消費電力も近年のサーバーの高集積化・高性能化に合わせ、8kVA/ラックを供給するほか、床荷重も1500kg/m2に対応。さらに外気利用により、PUE値1.3の冷却環境を実現するための設計となっている(図2)。
netXDCはデジタルトランスフォーメーションの推進を支援するため、プライベート/パブリッククラウド、およびオンプレミスのシステムを柔軟に融合するハイブリッドクラウドを実現するための基盤も整えられている。
山中氏は「netXDCの強みの1つは、インターネットや各データセンター間を結ぶバックボーンネットワークにおいて、国内の主要なIX(Internet Exchange)及びトランジットと複数接続していることです。これにより、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureといった主要なパブリッククラウドサービスとも遅延のない快適な接続を可能としており、当社のクラウドサービスである『USiZE』と併せて、広帯域ネットワークを活用したハイブリッドクラウド環境の構築が可能です」と強調する。
手厚い運用サービスが強みのクラウドサービス「USiZE」
こうしたデータセンターサービスを基盤に据えながら、SCSKならではの強みとなるのが、クラウドサービスのUSiZEを軸に提供される、充実した運用アウトソーシングサービスである。
USiZEは、プライベート、シェアード、パブリックとニーズに応じて選択可能なラインナップを有したクラウドサービスだ。アプリケーションの保守からインフラ運営までアウトソーシングにて提供されるのが特長で、クラウドサービス利用における障害時の迅速な対応による安定稼働、および運用管理負荷の抑制を実現する(図3)。
ITマネジメント事業部門 nextデータセンター事業本部 クラウドサービス部第1課の西澤麻紀氏は「USiZEの最大の特長は、フルマネージドの運用サービスが標準メニューとして提供されていることです。具体的にはシステム監視、死活監視、CPUやメモリ等のリソース監視、アラート検知後の障害一次対応等が含まれているので、企業はクラウドサービスの運用に関する負荷を大幅に抑制できます」と強調する。
運用サービスのメニューも企業の要望によって柔軟にカスタマイズ可能だ。小坂氏は、「そもそもUSiZEは、SCSKのユーティリティ・コンピューティングサービスの総称であり、電気・ガス・水道などの公共サービスと同様にITリソースも使用量に応じてお支払いを頂くアウトソーシングモデルとして提供することが基本コンセプトにあります。つまり、クラウドサービスという名称が世に広がる以前の2004年から、従量課金にてコンピューティングリソースと運用サービスをセットにしたサービスとして開始されたのです。当初は、顧客ごとにカスタマイズしたサービスを提供してきましたが、時流を見据え、シェアード型のクラウドサービスへと進化させたのです」と説明する。
ハイブリッドクラウドの実現に向けて、AWSやMicrosoft Azureといった主要パブリッククラウドも含めた統合運用サービス「USiZEパブリッククラウドモデル」を提供している点も特長の1つだ。これは、AWSやMicrosoft Azureの導入に向けたコンサルティングから、設計・構築、運用監視、および請求代行まで、ワンストップでサポートするもの。さらにはAWSやMicrosoft Azureに精通したエンジニアが、利用企業のシステム環境に応じて構築設計のみならず、リソースやログといった各種監視運用にも対応するため、ハイブリッドクラウドの運用も安心して任せられる。
山中氏は、「USiZEの利用企業に定期的にアンケート調査を行っているのですが、最も評価されているのは、IaaSのようなシステムリソースの提供だけではなく、運用サービスが標準で付加されていることです。最近ではAWSやAzureを利用している企業からも『システム監視や障害対応を行ってほしい』『バックアップやリストアをもっと柔軟に行いたい』といった要望も寄せられており、そうした声に真摯に耳を傾け、パブリッククラウド独自の運用サービス化にも取り組んできております。このようなきめ細かい対応もUSiZEを選んで頂いた理由の1つとして自負しています」とアピールする。
安定運用を下支えする人員の教育にも注力
信頼性の高い運用アウトソーシングサービスの提供には、高いスキルと豊富な経験を有した人材も不可欠となる。そうしたことから、SCSKは人材の教育/育成にも注力している。
具体的には職務に応じた専門性を評価する7段階の専門性認定制度を定め、高度IT人材の育成に努めているほか、公的資格制度の取得推進も積極的に進めている。その一例として、運用に関わる全ての要員に対し「ITIL Foundation」の資格取得を推奨。2017年8月現在では、高度資格である「ITIL Expert」の取得者も67名と国内トップクラスの人員を擁する。このほか、今年度中には100名のAWS技術者も育成していくという。
大友氏は、「そうした資格取得のみならず、実践を通じたスキル向上にも努めています。具体的にはデータセンター部門とシステムインテグレーション部門、および顧客常駐業務と定期的なジョブローテーションを実施。システム構築や運用のスキル、さらには企業へ最適なソリューション提案を行うための企画力を習得してもらうなど、社員一人ひとりの総合力を高めるような取り組みを推進しています」と説明する。
多くの成功事例が物語るnetXDCとUSiZEの真価
多彩なサービスメニューはもちろんのこと、手厚く柔軟な運用アウトソーシングサービスが評価され、netXDCおよびUSiZEの導入実績は上場企業を中心に400社を超えている。netXDCとUSiZE、およびSCSKが提供する運用アウトソーシングの活用により、業務の効率化とビジネスの成長を実現した企業の一例を紹介しよう。
ある建設会社では、新規のインフラとしてUSiZEを導入、システムインフラのリプレースに伴う負荷を抑制するとともに、コストの最適化を実現している。さらにコスト最適化によって生じた予算を災害対サイトの構築やセキュリティ強化に投入することで、より安全なシステム運用を実現している。大友氏は「このお客様とはメインフレームからクライアント/サーバー、その後のオープンシステムを経てクラウド化と、時代の趨勢に応じて、最適なプラットフォームへの移行を支援するとともに、運用アウトソーシングサービスを提供してきました。テクノロジーの進化に伴うプラットフォームの変化にも柔軟に対応し、企業にとって最適なインフラと運用アウトソーシングを提供できることはSCSKの強みです」と強調する。
西澤氏も「運用アウトソーシングサービスの一環として、障害発生時の原因究明やアプリケーションの性能限界に関する分析を行い、システム改善に繋げた事例も多々あります。世の中にはアラートが発生した際に通知のみで終わってしまうサービスも少なくありません。対して、私たちは性能に関する問題が発生したならば、CPUの性能向上やSSDへのリプレースを提案するなど、能動的に利用企業の改善提案に取り組んでいます。今後は自動化等の仕組みも取り入れ、よりプロアクティブな提案を行っていきたいと考えています」と話す。
最先端のファシリティとネットワーク接続環境を有したデータセンターサービスと、多様なメニューを取り揃えたクラウドサービス、そして様々なニーズに柔軟に対応する運用アウトソーシングサービスを軸に、企業のデジタルトランスフォーメーションの推進を支援するSCSK。小坂氏は、次のように今後の展望を述べた。
「時代の変化と共に、私たちシステムインテグレーターも変化を遂げていかなければなりません。システムインテグレーションやアプリケーション開発、さらにはコンサルティングも含めた、顧客企業の“業務そのもの”をお預かりすると全方位型のフルサービスを提供できるのが強みであると自負しています。今後も、ますます多様化する顧客ニーズにも対応できる“サービスインテグレータ”として、運用アウトソーシングサービスのさらなる強化に努めていきたいと考えています」
お問い合わせ先
SCSK株式会社
ITマネジメント事業部門 netXデータセンター担当
netx_contact@scsk.jp