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オラクル、需給計画や生産管理の機能を拡張した「SCM Cloud」新版

 日本オラクル株式会社は8日、SCM(サプライチェーン管理)機能を提供するクラウドサービス「Oracle Supply Chain Management(SCM) Cloud」の最新版を発表した。今回は、需給計画クラウド「Oracle Planning Central Cloud」、生産管理クラウド「Oracle Manufacturing Cloud」が追加され、完全に統合されたサプライチェーン・アプリケーションをクラウドで提供可能になったとしている。

 新たに提供されるOracle Planning Central Cloudは、計画から生産までのプロセスを一貫した、途切れのない最適なプロセスフロー実現を支援するクラウドアプリケーション。需要計画、在庫、供給計画を、直観的で分かりやすい画面を利用して最新のアナリティクス・ワークベンチに統合する。需給計画状況を多次元分析フレームワークと組み合わせ、サプライチェーンで発生している複雑な問題を的確に表示可能。これにより計画担当者は、根本原因を突き止め、対応すべき事柄に優先順位をつけ、最適な解決策を実行に移せるという。

 またOracle Manufacturing Cloudは、生産業務の効率的な準備と実行を可能にするクラウドアプリケーション。正確な部品投入計画、製造工程手順を計算し、作業指示書を発行し、生産現場のモニタリングを行うことで、作業進ちょく状況の遅れや部品や工程における問題点の確認、製造コストの分析によるコスト抑制などに役立てられる。加えて、使いやすさを念頭に置いて設計されているとのことで、生産活動には業界標準のデータモデルが使用され、最新のユーザーインターフェイスによるダッシュボードを搭載する。エンジニアは、画面上で分かりやすく各製造プロセスを定義し、実行に移せるとした。

 このほか今回は、受注管理サービス「Oracle Order Management Cloud」をはじめ、その他のOracle SCM Cloudについても機能強化が行われている。

 Oracle Order Management Cloudは、受注生産、仕入れ先直送、受注ひも付き発注、グループ企業間の在庫移動取引など、複雑なオーダー・フルフィルメントの業務の流れをサポートするアプリケーションで、組み込みのオーダーキャプチャ、価格設定、コンフィギュレータ機能も含まれている。自身の受注登録機能に加え、「Oracle CPQ Cloud」「Oracle Commerce Cloud」などのOracle Cloud製品、さらにはEDIやレガシーシステムなど、複数の受注元をサポートするため、さまざまな販売チャネルの注文を統合管理できる。

 このアプリケーションと、新サービスであるOracle Planning Central、Oracle Cloud Manufacturing Cloud、およびその他のOracle SCM Cloudソリューションを組み合わせて導入すると、「Oracle Procurement Cloud」での直接材のサポート、「Oracle Inventory Cloud」での複雑なフルフィルメント/在庫移動フロー、「Oracle Cost Management Cloud」での標準原価計算、「Oracle Innovation Management Cloud」「Oracle Product Development Cloud」「Oracle Product Hub Cloud」「Oracle Manufacturing Cloud」「Oracle Projects Cloud」間の統合と変更管理の強化などが実現するとした。

 こうして、各業務モジュールを組み合わせることで、グローバルに展開する製造業は、高度な需給コントロールと最小限にコストを抑えた生産活動を実現し、企業利益の最大化を目指すことが可能とのことだ。

石井 一志