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人工知能の成長を可視化、UBICがコンサルティングサービスを提供

 株式会社UBICは25日、人工知能の成長を可視化するコンサルティングサービスを提供すると発表した。人工知能の成長過程を視覚的に把握し、テキスト解析の精度を効率的に向上させることが可能という。

 UBICでは、人工知能を用いたメール自動監査システム「Lit i View EMAIL AUDITOR」(以下、EMAIL AUDITOR)により、企業内にある大量のメールを自動的に監査し、企業が防ぎたいリスクを発見するソリューションを提供している。このシステムに搭載される人工知能「バーチャルデータサイエンティスト」は、社内外の監査スタッフや弁護士など、豊富な経験をもつ監査人から、不正を判断する特徴を学び、膨大なメールのテキストから、情報漏えいやカルテルなど不正行為への関与が疑われるコミュニケーション・行動を、監査人に代わって見つけ出せるという。

 今回提供する、成長を可視化するコンサルティングサービスは、「EMAIL AUDITOR」の顧客からの、「人工知能によるメール監査がどの程度機能しているのか」「運用開始からどれぐらいの期間で実用的な監査ツールとして稼働できるのか」といった疑問に応えるために開発された。

 従来は表の一覧で示していた解析結果を、グラフ上でのメール文書の分布、時系列での推移を見ることで、より分かりやすく確認できるようになったとのこと。

 成長度合いについては、監査人が「不正に“関連する”と判断した文書」と「不正に“関連していない”と判断した文書」が、人工知能によって正しくスコア付けされているかどうか、で判断する。監査人が関連性の有無を判断したメール文書が全体のどの位置に分布し、時系列でスコア付けがどう変わるかという動きを追うことで、人工知能の成長度を測れるとのこと。

 なお、人工知能の成長プロセスは、1)成長初期、2)成長期、3)成熟期、といった3段階に分けられ、3)の成熟期に到達すると、安定したメール監査機能として稼働が確認できたことになるとした。

成長段階における分布の変化(典型的なサンプルと実際の案件での文書分布比較)。こちらが成長初期
成長期
成熟期

 UBICでは、高度情報解析課において、「バーチャルデータサイエンティスト」の学習機能が適切に働いているか、分析コンサルティングを行っている。今回の可視化の手法は、同課の彦根佑紀主任による分析作業の中で発見された傾向や手法をもとに開発されており、可視化の手法を用いることによって、従来よりも、より直感的に人工知能の成長過程を把握でき、成長の精度やスピードが適正であるかどうかの判断を容易に行えるとした。

 なお同社は今後、「EMAIL AUDITOR」を導入する企業などに対し、今回のサービスをコンサルティングサービスとして提供する考えだ。