ニュース

人工知能でメール監査・国際訴訟対応、UBICとエアーが協業

 株式会社UBICと株式会社エアーは30日、業務提携を発表。UBICの人工知能搭載メール監査サービス「Lit i View EMAIL AUDITOR(以下、EMAIL AUDITOR)」と、エアーのメールアーカイブ製品「WISE Audit」を連携させ、メール監査や国際訴訟対応を支援する「ESI Manager」として提供する。

 UBICは、人工知能搭載データ解析プラットフォーム「Lit i View」を提供する企業。同社では、知識を蓄積・活用できるソフトウェア上の専門家「バーチャルデータサイエンティスト」の開発を進めており、膨大なデータに対し、従来のクラスタリングや傾向分析のみならず、事例データベースや行動科学の成果を基にした定性的アプローチ――より人間や社会に対する知見を活用した分析を行う技術を実現している。

 EMAIL AUDITORは、この技術を活用して監査に必要なメールを抽出するサービス。従来のように、キーワードのみで抽出するのではなく、実際に監査に利用されたメールの内容を自動学習することで、大量のキーワードを設定することによる過多なメール抽出や、キーワードにヒットしないメールは抽出できないといった課題を解消し、監査官が望むメールを高精度に抽出する。

EMAIL AUDITORの利点

 一方のエアーは、eディスカバリオプションを備えたメールアーカイブ製品「WISE Audit」を提供しており、eディスカバリが発動された有事の際に、証拠の散逸・消失を防ぐ「データ保護(訴訟ホールド)」を行い、絞り込んだメールのレビューを実現する。電子情報開示参考モデル(EDRM)に沿った迅速な運用ができるのが特長だ。

 今回のESI Managerでは、両社の技術を連携させることで、EMAIL AUDITORで効率よく抽出されたメールに対する訴訟ホールド、監査をシームレスに実現する。並行して、案件が収束するまでの間、どの証拠保管者のデータを保管すべきかの記録管理が行われ、昨今問題化しているパテントトロールからの訴訟など、複数の案件に直面する大企業を、誤った証拠消失による法的制裁リスクから守るという。

 最大の特徴は、実際の有事対応を1000件以上行ってきた経験があらかじめ人工知能に学習済みな点。

 両社は今後、セミナーの共同開催など、マーケティングおよび営業活動をともに行っていく方針。

川島 弘之