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総務省がSkype for Businessを導入し、テレワーク推進を強化

「総務省テレワーク推進計画」策定

 日本マイクロソフト株式会社は5日、総務省が省内のテレワーク推進を強化するために、全職員約5000名にSkype for Business(旧 Microsoft Lync)を導入したと発表した。

 同日、総務省は「総務省テレワーク推進計画」を策定したと発表しており、「2020年度までに、業務の性質上、テレワークの実施が不可能な業務を除き、省内においてテレワークを勤務形態の一つとして定着させ、必要な者が必要な時に当該勤務を本格的に活用できるようにする」としている。

 この計画では、原則として管理職員は年2回以上、未就学児や介護を要する家族がいる職員は月1回以上のテレワークを平成27年度から実施。さらに国会業務や窓口業務などテレワークが困難な業務を担当する職員以外においては、平成32年(2020年)までに週1回の利用をめざすという。

 計画に向けた具体的な取り組みとして、7月中の特定の1週間を「総務省テレワークウィーク」と定め、総務省を中心にできる限り多くの職員へ積極的なテレワーク利用を促す。特にこれまで登庁が求められた会議や打合せなどにテレワークを適用し、「チーム型」の取り組みとする。さらにテレワークの利便性を向上させるため、制度面・システム面の見直しも図り、まずは幹部職員の最低1回のテレワーク実践、全職員のうち500名のテレワーク実践をめざすとしている。

すでに増えている総務省のテレワーク
テレワーク推進のための環境整備状況

 総務省では、この取り組みに先立ち、2月にワークスタイル変革推進チームも省内に結成している。「ワークスタイルを変えるオフィス改革の試行的取組」として、無線LANの導入、フリーアドレス制・ペーパーレス化の推進、同じチームが1つの机を囲むことによるコミュニケーション活性化と意志決定の迅速化などを図った。

総務省 行政管理局におけるワークスタイル変革の取り組み
働き方がどう変化したかのイメージ
ペーパーレス化の促進
コミュニケーション活性化と意志決定の迅速化
打合せスタイルの変化
ICTを活用したスムーズな情報共有
効果について

 テレワーク環境も検討した結果、遠距離のコミュニケーションを支えるWeb会議システムにおいて、以下の内容が課題になっていたという。

  • 5000人の職員に対し、同時アクセスが100名に限られていた
  • 事前に会議を設定し、参加者にIDなどの案内を配布する手間があった
  • 総務省職員以外の外部の人と会議ができない
  • 音声の遅延が頻繁に発声する
  • スマホやタブレットからアクセスできない

 これらを解決するために、平成27年3月末に新日鉄住金ソリューションズ(NS-SOL)の支援を受けながら、Skype for Businessを導入。利用もすでに開始されている。

 総務省 大臣官房企画課 課長補佐の波多野洋史氏は「育児参加のために育児休業2週間を取得し、さらに在宅テレワークを2週間利用しました。Skype for Businessは相手がオンライン状態にあるか、あるいは会議中であるかといったプレゼンスが表示されるため、省外にいても上司・部下と情報共有・作業指示などがスムーズに行えました」とコメント。

 総務省 大臣官房企画課 企画官・情報システム室長の尾原淳之氏は「テレワークを実施する際には勤怠管理が不安となるケースも多いですが、Skype for Businessのプレゼンスは、5分以上PCを操作しないと『退席中』とするなど、きめ細かく表示されるので、勤怠の確認も重宝します。育児や介護、災害や事故などによってテレワークが必要になった際に、急に特別なシステムを用意されても使いこなすのは難しいでしょう。その点、Skype for Businessは日常から有効活用できます」とコメントしている。

川島 弘之