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デル、さまざまなワークロードへ柔軟に対応できる新サーバー基盤「PowerEdge FX」

Dell PowerEdge FXの特徴

 デル株式会社は12日、さまざまなITワークロードに対して柔軟に対応できるサーバープラットフォーム「Dell PowerEdge FX」を発表した。

 「Dell PowerEdge FX」は、サーバー、ストレージ、ネットワークを統合して提供可能なモジュラープラットフォーム。サーバーやストレージのモジュール(ブロック)を自由に組み替えられる「ブロック型アーキテクチャ」が特徴で、構成を変えるだけでさまざまなITのワークロードに対して柔軟に対応できるという。

 基本となる「Dell PowerEdge FX2エンクロージャ」は、2Uサイズのシャーシ。サーバーやストレージのブロックを最大4基(ハーフ幅の場合)内蔵でき、搭載したブロック間で、電源、冷却、ネットワーク、管理、I/O拡張スロットを共有できる。また、このシャーシを増設することにより、必要に応じて規模を拡張していけるため、過剰な初期投資を排除可能とのこと。

 管理についても、デル製ラック型サーバーに搭載されているiDRACや、ブレードサーバーの管理に利用されている管理ソリューション「Chassis Management Controller(CMC)」をそのまま利用できるため、これまでのサーバーの延長線上で管理を行えるとした。CMCでは、最大20台のシャーシを可視化して一元管理できる。

 エンタープライズ・ソリューション統括本部 エンタープライズビジネス開発部の馬場健太郎部長は、「設置スペースの削減やケーブリングの改善などにより、設置作業工程を84%削減。パーツとケーブルも72%削減するなど、ライフサイクル全体を最適化できる点が強みだ」と述べた。

Dell PowerEdge FXのシャーシであるDell PowerEdge FX2エンクロージャ
エンタープライズ・ソリューション統括本部 エンタープライズビジネス開発部の馬場健太郎部長
ブロック型アーキテクチャを採用
ライフサイクル全体を最適化するという
Dell PowerEdge FXのサーバーブロック

 ブロックも、想定するワークロードの違いによってさまざまな種類がラインアップされる。発表時点では、Xeon E5-2600v3を搭載する2ソケットのハーフ幅サーバーブロック「PowerEdge FC630」、Atom C2000(最大8コア)ベースのシステムを4ノード分搭載するハーフ幅サーバーブロック「PowerEdge FM120x4」、統合スイッチモジュールの「PowerEdge FN IOA」を提供する。

 このうちFC630では、仮想サーバーやクラウド、VDIなどのメインストリーム用途を想定。FM120x4では、ホスティングやWebサーバーとしての利用を見込んでいるとのこと。

 価格は、FX2エンクロージャが25万9000円(税別)から、FC630が67万8000円(税別)から、FM120x4が31万1000円(税別)から、FN IOAは11万円(税別)から。いずれも、12月3日より順次出荷を開始する。

 さらに2015年前半には、InfiniBand対応の2ソケットのハーフ幅サーバーブロック「PowerEdge FC430」、4ソケットのフル幅サーバーブロック「PowerEdge FC830」、最大16台のドライブを搭載できるハーフ幅のDASブロック「PowerEdge FD332」が提供される予定。これらを利用すると、例えば、FC630とFD332を組み合わせることでSoftware Defined Storage(SDS)に利用したり、InfiniBand対応のFC430をHPCに利用したり、FC830をインメモリデータベース用途に適用したり、といったことが可能になる。

Dell PowerEdge FXのポートフォリオ
さまざまなシーンでの活用が期待されている

 なお馬場部長は、主となるデータセンター側に「Dell PowerEdge FX」を、拠点側には2013年6月に発表したサーバープラットフォーム「Dell PowerEdge VRTX」を利用することで、企業全体の基盤を最適化できるとアピール。また、I/O性能が必要なデータベースやWebアクセスなどでは、フラッシュを利用したストレージアーキテクチャ「Fluid Cache for SAN」を組み合わせるなど、デルが持つソリューション全体でユーザーに対してメリットを提供できるとした。

石井 一志