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着実に成熟に向かうSDNの現状~O3シンポジウム基調講演
(2014/3/18 14:12)
O3プロジェクトの成果発表の場として「O3シンポジウム」が14日、秋葉原UDXで開催された。O3プロジェクトは「ユーザ指向型SDNの実現」を目指す研究プロジェクトで、データセンター内でまず活用が始まったSDNを広域ネットワークでも利用可能とするための各種の関連技術の開発に取り組んでいる。
日本電気株式会社(NEC)、日本電信電話株式会社(NTT)、NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)、富士通株式会社、株式会社日立製作所(日立)により設立された。
シンポジウムではプロジェクト発足からこれまでの約1年間での研究成果の発表やデモ展示が行なわれたが、基調講演としてはSDNの本家とも言うべき、Open Network Foundation Executive DirectorのDan Pitt氏の講演が行なわれた。
同氏はまず、ONFがちょうど設立3周年を迎えるタイミングであることを紹介した上で、この間の大きな流れについて「SDNの価値提案は不変だ」とした。同氏の言う“SDNの価値提案”とは、「コストの削減(Saving Money)」と「利益の創出(Making Money)」であり、技術面ではなく、経営視点でのメリットが挙がる点が、ONFがどのような性格の団体であるかを反映していると言えるだろう。
また同氏は、SDNに関連する様々な「オープンなインターフェイス」を紹介し、それが確立されたことで新たに立ち上がったさまざまな関連プロジェクトを紹介した。最上位のレイヤではOpenStackやCloudStackがあり、ノースバウンドAPIやコントローラにおけるOpenDaylightなど、この1年ほどで急速な広がりを見せており、このことがSDNが順調に受け入れられ、発展しつつあることの証明といえるだろう。
さらに同氏は「将来のネットワークとは、LinuxのもとでEthernetとX86とOpenFlowで成り立つ」という言葉を紹介し、サーバーにおけるコモディティ化の影響がネットワーク分野に及び、これまでの状況を根本的に変革していくという見通しを語った。
なお、ONFの2014年の取り組みについて同氏は、市場やユーザーからの要望に応える形で新たなワーキンググループやディスカッショングループを設立し、より広範な分野で活動していくことを明らかにし、さらにO3プロジェクトの成果がSDNを発展させ、新たな領域を切り拓いていくことに期待を表明して講演を締めくくった。