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「広域SDN」を目指す「O3プロジェクト」、シンポジウムで成果発表へ

秋葉原で14日開催。参加無料

 広域SDN(Software-Defined Network)の研究成果を発表するシンポジウムが14日、秋葉原UDXで開催される。総務省の委託研究「ネットワーク仮想化技術の研究」に基づき、NEC、NTT、NTT Com、富士通、日立の5社が2013年9月に共同で立ち上げた研究開発プロジェクトで、SDNを広域ネットワークに適用することで、欲しい分だけ、すぐに使えるネットワークの実現を目指している。

 研究開発プロジェクトは「Open Innovation over Network Platform」(愛称:O3プロジェクト)と呼ばれ、以下の研究開発を行っている。

(1)ネットワーク管理制御プラットフォーム技術

 さまざまなサービス要件を満たしたネットワークを構築し、迅速なサービス提供を可能とするSDNプラットフォームソフトを開発。具体的には、光・無線・パケット通信など多様なネットワークについて、それぞれを管理するための情報を共通的に扱えるようにすることで、広域ネットワークを統合し、管理制御を柔軟・迅速に行えるようにする。

(2)ネットワーク設計・構築・運用管理ソフトウェア技術

 (1)で実現するプラットフォーム上で動作する、ネットワーク設計や構築、運用管理を行うソフトを開発。具体的には、広域ネットワークにSDNを適用する際に必要となる、設計ソフトウェア(設計したネットワークの検証)や、構築ソフトウェア(既存ネットワークとの相互接続、既存ネットワークからSDNへの移行)、運用管理ソフトウェア(レイヤ間における障害特定・対処の迅速化、サービス品質の制御)を開発する。

(3)仮想化対応ネットワーク装置技術

 (1)(2)により制御可能なSDNネットワーク装置を開発。具体的には、すべてのレイヤを通じて低コストかつ高性能な資源を活用し、サービス構築コストの最適化を可能とする、既存の光通信システム・無線通信システム・パケットトランスポートシステムのネットワーク装置を制御するインタフェースやドライバ機能、ならびに構成や機能を自由に変更できるソフト通信機器を開発する。

 シンポジウムでは講演・展示・デモを通じてプロジェクトの成果発表・周知を図る。基調講演にはOpen Networking Foundation Executive DirectorのDan Pitt氏や、CASL代表の三上哲郎氏を迎えるほか、「OSS時代のソフトウェア&ネットワーク人材育成」をテーマに各分野の有識者やパネラーによるディスカッションを行う。

 開催概要として、日時は3/14(金)11:00~17:30。会場はアキバ・スクエア(秋葉原UDX 2F)。料金は無料。

川島 弘之