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アイ・オー、AWS同期対応、WD Red採用のビジネスNAS「HDL6-Hシリーズ」

~仮想ストレージ機能を搭載し、HDD含め3年保証

 アイ・オー・データ機器は1月22日、仮想ストレージ機能「拡張ボリューム」を搭載し、Intel Atom 1.86GHz CPUとNAS用HDD「WD Red」を採用したビジネスNAS「HDL6-Hシリーズ」を発表した。HDDを6基搭載可能で、税抜価格は18万5000円(6TB)~36万円(24TB)。HDDを含めて3年間保証がつく。

ビジネスNAS「HDL6-Hシリーズ」

 「HDL6-Hシリーズ」はIntel製のAtom 1.86GHzデュアルコアCPUを採用し、内蔵HDDにはWestern Digital社のNAS用HDD「WD Red」を6基搭載する。UIも一新、各メニューをアイコン化した。容量と価格は6TB(1TB×6)が18万5000円、12TB(2TB×6)が23万円、18TB(3TB×6)が26万8000円、24TB(4TB×6)が36万円(いずれも税別)。

 筐体は新規設計した自社筐体を採用。従来のビジネスNASはHDDが横置きだったところを縦置きに変更して2基搭載したファンによる風が筐体底部から上部に抜ける構造とすることでエアフローによる効率的な冷却を図った。筐体の剛性も向上させ、ファンはゴム製のリベットを採用しファンの振動を筐体に伝えない設計を採用した。

 機能面では、仮想ストレージ機能「拡張ボリューム」を搭載。RAIDに頼らない冗長性を提供すると同時に、ファイル単位のミラーリングおよびRAID演算を行わないことで、高速な処理を実現したという。HDDはA=A'、B=B'、C=C'とそれぞれ対の構成となっている。Aが故障した場合にはA'が補完し、Aを交換するとA'からAへリビルド処理を実施するが、この時に使用されている容量しかリビルドを実施しないため、高速処理が可能だとしている。対になっているHDD以外、例えばAとBは同一容量である必要はなく、2基ペアごとに大容量のものに入れ替えることもできる。

 外付けドライブの増設に対応し、外付けドライブでも暗号化が利用できる。なお、外付けドライブでは拡張ボリューム機能は利用できないが、「将来的には外部NASやUSBストレージでも利用できるようにしたい」という。RAIDは0/5/6に対応しており、0/5/6いずれの設定時も暗号化とUSB 3.0 Mirroring機能が利用できる。

 ソフトウェアはモジュール構造を採用し、必要なパッケージをインターネットから追加することで必要な機能のみを利用可能とし、使わない機能でメモリやリソースが消費されないようにした。初回リリースされるパッケージはApple Share、FTP、クラウド同期(Amazon S3/Dropbox)、レプリケーションの4つ。パッケージごとに取扱説明書も用意している。

 バックアップ機能では、履歴差分機能を持つほか、バックアップ元・バックアップ先ともに外部共有フォルダが指定できる。これにより、HDL6-Hを介して、サーバーからサーバーへのバックアップも可能としている。バックアップJOB(プロファイル)は最大7個まで作成できる。

 レプリケーション機能では、従来製品「HDL-XRシリーズ」ですべてのファイル変更通知を個別処理するため、大量に変更が入った時に時間がかかる場合があった点を改善。アルゴリズムを改良することでより高速で安定性の高いレプリケーション動作を実現したという。

 自己診断機能を持つほか、ファームウェアの自動更新機能も搭載。ファームウェアの自動更新はデフォルトでオンになっている。上述のモジュールパッケージについても自動更新機能に対応している。

 液晶は、日本語表示対応の液晶を採用。「HDL-Hシリーズ起動中」などと表示することでNASの状態をわかりやすくした。また、空気清浄機やエアコンなどで使われているような水洗い可能なエアーフィルターを採用、内部に埃がたまることによる性能低下軽減に配慮している。

 製品仕様は、CPUはIntel Atom 1.86GHzデュアルコアプロセッサを採用、RAM 1GBを搭載。インターフェイスは1GbEのLANポート×2、USB 3.0×2(背面)、USB 2.0×2(前面1、背面1)、VGA×1、RS-232C×1(UPS用)、PCIe拡張スロット(Gen2×1)を装備する。内蔵HDDはSATAII接続で、NAS用のWD Redを採用した。

 オプションで交換用HDDも用意。容量と税別価格は、1TBが2万円、2TBが2万5000円、3TBが3万2000円、4TBが4万8000円。

工藤 ひろえ