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NTT Com、オーバーレイ型仮想ネットワークサービスを開始

概要説明を行なった、NTT Com 取締役 ネットワークサービス部長の原 隆一氏
Arcstar Universal One Virtualの接続イメージと主な特徴

 NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は10日、「Arcstar Universal One Virtual」の申し込み受付を2014年3月より開始すると発表した。

 同社が法人向けに提供するVPNサービス「Arcstar Universal One」に新たにネットワーク仮想化技術を活用した“オーバーレイ・ネットワーク”の構築機能を追加するもの。 Arcstar Universal Oneに接続されたネットワークやインターネット環境上で利用目的に応じたオーバーレイ・ネットワークを必要に応じていくつでも構築できる。

 基本となるのはVPNと同様の暗号化/トンネリングで、クライアント側にはデバイスごとに専用アプリケーションをインストールするか、もしくは専用アプライアンスをルータ直下に設置して接続を行なう。

 たとえば企業合併/統合といった場合、それぞれ独自のアドレス体系で構築されたネットワークを相互接続するにはコストも作業量も相応に発生する大規模な作業となるが、トンネリングを活用した仮想ネットワークによる相互接続であれば、既存のネットワークにはほとんど手を加えずに迅速に統合を実施し、仮想的に1つのネットワークにまとめることが可能になる。

 同社では「低コストで迅速に接続できる」という特徴を活かし、ユーザーがセルフサービスで運用管理できるビジネスポータルの機能拡充や、専用アプリケーションや専用アダプタを導入するだけですぐに使い始められるといった導入障壁排除の工夫も凝らしている。

 利用料金は、接続する端末単位の課金となる。PCやスマートフォンなどにインストールして利用する「アプリタイプ」の場合は1ID(デバイス数と同義)あたり月額250円、専用アダプタを利用する「アダプタタイプ」は1IDあたり月額1500円となる。

 なお、専用アダプタの配下には複数のPCなどを接続して利用できるが、課金単位は専用アダプタの台数となるため、オフィスなどに設置された複数のPCなどから利用する場合には専用アダプタが有利になる。一方、専用アプリケーションをインストールしたデバイスではモバイルアクセスも可能になるため、移動が多い場合はアプリタイプが便利だろう。

 利用可能エリアは、2014年3月のサービス開始時点で日本、米国、シンガポール、英国、香港、ドイツ、オーストラリアなど世界21カ国での展開を予定、さらに2015年3月までの1年間で世界主要30カ国程度に拡大する計画だ。

渡邉 利和