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マレーシアとシンガポール間でのクラウド連携、CTCが実証実験
「自律型データセンター」技術検証
(2013/12/5 12:06)
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)は、グループ会社であるマレーシアのCTC Global Sdn. Bhd.とシンガポールのCTC Global Pte. Ltd.と協働で、遠隔地にある複数のデータセンターにあるクラウド環境を連携した実証実験を2014年1月から開始する。
複数のデータセンターを仮想的に1つに統合する「自律型データセンター」を目指したもので、データセンター内の各機器をソフトウェアで自動制御する技術を用いて、マレーシアとシンガポールのクラウド環境を一元的に制御し、サービスの負荷分散や日本を含めた遠隔バックアップの実証実験を行う。
自律型データセンターは、遠隔地にある複数のデータセンターを仮想的に統合する、CTCが推進しているコンセプト。ソフトウェアでクラウド環境を制御するSDI(Software-Defined Infrastructure)技術により、データセンター内のサーバー・ストレージ・ネットワークなどの各ITリソースを自動的に管理することで、災害時のスムーズなサービス継続や、複数のデータセンターの余剰リソースを組み合わせた、堅牢なシステムを実現できる。また、クラウド環境のリソースの自動的な増減や、障害時の再起動機能により、少人数の運用でシステムの性能・品質を保てるという。これが「自律型」のゆえんだ。
国内では2013年8月にCTCの横浜と神戸のデータセンターで、自律型データセンターの実現に向けた実証実験を行い、ソリューションの提供を開始している。国内での検証結果に基づき、今回、東南アジア地域でビジネスを展開するグローバル企業の、国をまたいだシステム連携やBCP対策の需要を想定し、マレーシアとシンガポール間でも実証実験を開始する。
マレーシアと日本間では、長距離でのDR環境を構築し、データ伝送量を削減する技術(重複排除技術)を使用して、データ複製にかかる時間や遠隔地でサービスが開始するまでの時間などを測定。許容される目標復旧時間(RTO)や目標復旧時点(RPO)を算出し、今後、国をまたいだシステム構築にそのノウハウを活用するとのこと。
主な構成としては、海外はNTT Comのデータセンターを利用し、日本ではCTCの横浜データセンターを利用。ネットワークはNTT Comのグローバルネットワークサービス「Arcstar Universal One」、サーバーに「Cisco UCS」、ストレージに「Hitachi Unified Storage」「EMC VNX」「NetApp」、スイッチに「Cisco Nexus」を採用。「vCloud Automation Center」や「Site Recovery Manager」で管理やデータ保護を自動化し、国をまたぐデータレプリケーションには「EMC VPLEX」を利用する。
なお、実証実験結果を踏まえ、マレーシア、シンガポール、日本の3カ国を連携させたオンプレミス型のクラウドソリューションを販売する予定。