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日立、2013年度第1四半期は減収増益で15四半期連続での黒字~上期業績を上方修正
(2013/7/31 00:00)
株式会社日立製作所(以下、日立)は30日、2013年度第1四半期(2013年4月~6月)の連結業績を発表した。
連結売上高は前年同期比1.8%減の2兆829億円、営業利益は同12.7%減の554億円、税引前利益は同13.4%増の553億円、当期純利益は同54.0%増の107億円となった。
日立の代表執行役 執行役副社長の中村豊明氏は、「円安および持分法損益の改善が貢献したものの、電子システム、建設機械、電子装置・システム部門などが前年同期を下回った。為替では売上高では1400億円の効果があり、これを除くと前年同期比8%減になる。一方で、四半期純利益は前年同期比37億円増加。15四半期連続での黒字を計上した。2012中期経営計画において、安定して黒字を計上できる体質を作ることを目指したが、これを作り上げることができたと認識している」と総括した。
営業利益では、第1四半期においては事前に操業度の悪化を想定。実績としては400億円のマイナス影響が出たものの、為替影響で200億円の増加、コスト構造プロジェクトであるHitachi Smart Transformation Projectの推進のよって200億円の改善を達成。「想定よりも挽回(ばんかい)したが、営業利益では80億円のマイナスになった」と語った。
国内売上高は前年同期比10%減の1兆877億円、海外売上高が前年同期比9%増の9952億円。海外売上高比率は同48%に上昇。ここでも円安効果が出ているという。
事業グループ別の売上高では情報・通信システムの売上高が、前年同期比3%増の5305億円、営業利益は前年同期から16億円減の32億円、EBIT(Earnings before Interests and Taxes)が同16億円減の38億円となった。日立物流の減益が影響しているという。
また、旧来の事業部門別業績では、売上高が前年同期比5%増の3910億円、営業利益が前年同期から14億円増のブレイクイーブン。EBITは同15億円増の6億円となった。
通信ネットワークやサーバーが需要減により減少したものの、サービスの売り上げ増や為替影響などにより、部門全体では増収増益になった。
だが、性能対策に取り組んでいる不採算案件プロジェクトが継続しており、「不採算案件でのコストが、予定よりも増えている。その部分が上期業績にも影響する。本当はすでに終わっていなくてはならなものだが、第3四半期から第4四半期において検収を迎える予定である」とした。
一方で、「情報・通信システムは、国内市場はそれほど成長をみられていないが、情報・通信システムにおける受注は増加しており、第3四半期、第4四半期には増収になるだろう」などとした。
情報・通信システムのうち、ソフトウェア/サービスの売上高は前年同期比10%増の2769億円。そのうちソフトウェアの売上高が同2%増の351億円、サービスが同11%増の2418億円。ハードウェアの売上高は同4%減の1141億円。そのうち、ストレージの売上高は同3%増の481億円、サーバーは同19%減の146億円、通信ネットワークは同25%減の206億円。その他の売上高は同15%増の306億円となった。また、ストレージソリューション事業は、売上高が同14%増の960億円となった。
電力システムの売上高は前年同期比18%減の1555億円、営業損失は前年同期から83億円減で58億円の赤字。社会・産業システムの売上高は前年同期比8%増の2575億円、営業損失は前年同期から15億円改善したものの4億円の赤字。電子装置・システムの売上高は前年同期比8%減の2256億円、営業利益は前年同期から92億円悪化の3億円。建設機械は売上高が前年同期比10%減の1785億円、営業利益は前年同期から23億円悪化の117億円。
高機能材料の売上高は前年同期比1%減の3381億円、営業利益は前年同期から60億円増の260億円。オートモーティブシステムの売上高は前年同期比1%増の2078億円、営業利益は前年同期から3億円改善の3億円。デジタルメディア・民生機器の売上高が前年同期比4%増の2276億円、営業利益は前年同期から5億円増の6億円。金融サービスの売上高は前年同期比14%減の817億円、営業利益は前年同期から10億円増の82億円。その他部門の売上高は前年同期比6%減の2630億円、営業利益は前年同期から18億円悪化の70億円となった。
中村氏は、「EBITでは10部門中7部門が増益になっている」とした。
2013年度上期の業績見通しは上方修正
なお、同社では、2013年度上期の業績見通しを上方修正した。
2013年度上期見通しについては、売上高は5月1日の公表値に比べて500億円増の4兆4000億円、営業利益は150億円増の1450億円、税引前利益は250億円増の1150億円、当期純利益は100億円増の500億円とした。またEBITでは250億円増の1200億円とした。
事業グループ別では、情報・通信システムの前回見通しに対して200億円増の1兆1400億円、営業利益は60億円減の390億円、EBITは60億円減の350億円としたほか、事業セグメント別では、情報・通信システムの売上高は200億円増の8500億円、営業利益は60億円減の280億円とした。
売上高の上方修正は、円安メリットや中国市場におけるATM需要の増大が影響。「海外でのハードウェアの販売増に力を注いでいる」としたが、その一方で、大口プロジェクトの性能対策への取り組みが、営業利益面での下方修正に影響しているという。