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富士通、タブレット端末や薄型ノートにも搭載可能な手のひら静脈認証センサーを実用化

今回開発された新型センサー

 富士通株式会社、富士通フロンテック株式会社、株式会社富士通研究所の3社は12日、非接触型の手のひら静脈認証センサーを実用化したと発表した。幅25×奥行き25×高さ6mm、重さが約4.0gと小型化・薄型化・軽量化が図られており、同社によれば、静脈認証装置の中では世界最小・最薄・最軽量になるという。

 今回開発された手のひら静脈認証センサーは、適用範囲を拡大するため、センサーをより小型化・薄型化したいというニーズを受けて開発されたもの。すでに、ノートPCに内蔵可能な製品は開発・実用化されてきたが、従来より5.2mm薄く、また重さも従来比56%減を達成した新センサーによって、薄型のノートPCやタブレット端末などにも適用可能になったという。

 具体的には、撮影に使用する内蔵部品について、照明系・光学系を新たに設計しなおしたことで、小型化・薄型化を達成した。機能としては、手のひら静脈を連続撮影し、その中から認証に最適な画像を瞬時に選んで自動照合する機能を継承。非接触型であっても、ユーザーはタッチさせるような感覚で認証できるため、高精度かつ軽快な操作性を実現しているとのこと。

 また、ノートPC内蔵型、デスクトップPC用キーボード内蔵型、外付けセンサー「PalmSecure-SL」などの現行製品とは、登録・認証データ形式の互換性を維持しており、混在運用にも対応する。なお、手のかざし方など利用方法についても同様に行えることから、ユーザーの利用感についても既存製品との互換性を維持しているとのこと。

新小型センサー(左、幅25×奥行き25×高さ6mm)と現行小型センサー(右、幅25×奥行き29mm×高さ11.2mm)

(石井 一志)