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Officeをクラウドサービスで利用できる、新しい「Office 365」提供開始

 日本マイクロソフト株式会社は27日、クラウドサービスとしてMicrosoft Officeを利用できる、新しい「Office 365」の提供を法人向けに開始した。

 新しいOffice 365は、WordやExcelなどのOfficeアプリケーションをサブスクリプションモデルで利用できる「Office 365 ProPlus」に加え、メールやドキュメント管理、オンライン会議などのクラウドサービス「Exchange Online」「SharePoint Online」「Lync Online」をワンパッケージで提供するサービス。

 Office 365 ProPlusには、Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook、Publisher、Access、Lync、InfoPathが含まれ、それぞれ最新版のアプリケーションを利用できる。1アカウントにつき5つのデバイスまで利用でき、旧バージョンのOfficeとの同時利用も可能。

 提供する主要プランと価格は、10ユーザーまでの「Office 365 Small Business Premium」が1ユーザーあたり月額1030円、250ユーザーまでの「Office 365 Midsize Business」が1ユーザーあたり月額1230円、ユーザー数無制限の「Office 365 Enterprise」が1ユーザーあたり月額1800円(いずれも年間契約時の価格)。

サブスクリプション版Officeとクラウドサービスをワンパッケージで提供
Office 365の主要プラン

 日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏は、「Office 365は、従来のサービス(Microsoft Business Productivity Online Suite:BPOS)に比べて10倍の速度で伸びている」と説明。「新しいOffice 365は、サブスクリプション版Officeクライアントに加えて、メール、Web会議、ファイル共有、コラボレーションの機能をクラウドサービスで提供する、まさにクラウドオールインワンパッケージ」だとして、顧客がニーズに合わせてオンプレミスとクラウドを選択できる点が、マイクロソフト製品のメリットだと語った。

 日本マイクロソフトOfficeビジネス本部業務執行役員本部長のロアン・カン氏は、Office 365の早期検証顧客として、日本たばこ産業(JT)とカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を紹介。Office 365はOfficeをクラウドサービスとして複数のデバイスで利用できるため、文書の作成はデスクトップPCで、プレゼンテーションや会議の場面ではタブレット型PCでといった形で活用できるとした。また、SharePointやYammerなどで実現できる企業内ソーシャル「エンタープライズソーシャル」が、従業員同士の結び付きやコラボレーションを促進し、生産性向上につながると説明。「無償トライアルも用意しているので、ぜひ新しいOffice 365を試してほしい」とアピールした。

日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏
Officeビジネス本部業務執行役員本部長のロアン・カン氏
エンタープライズソーシャル導入の価値
中小企業にも多く導入されている

 販売については、これまでにOffice 365の販売実績を持つパートナー企業は2760社に上るが、新しいOffice 365の提供にあたっては仕入れ販売モデルの「Office 365 Open」を追加。2013年6月末までに、4000社のパートナーがこの仕組みで販売可能になる見込みだとした。また、NTTコミュニケーションズ、大塚商会、ソフトバンクBB、リコージャパンの4社が、Office 365とネットワーク回線や導入サポートなどを組み合わせたワンストップクラウドサービスを展開することも発表した。

 質疑応答で、海外で展開している個人ユーザー向けの「Office 365 Home Premium」の提供予定について質問されたカン氏は、「ソリューションはそれぞれの市場に合わせて提供している。日本では圧倒的にデバイスの購入時にOfficeの導入が望まれているため、あえて今回は提供しないことにしたが、検討はしている」と説明。OfficeのボリュームライセンスとOffice 365はどのような割合になっていくのかという質問に対しては、「(Office 365の)伸びはすごいが、比率はまだまだという状況。クラウドにどれだけ安心して預けてもらえるかという点でも、パブリックセクターや金融などの分野でもまだまだこれから。ただ、関心は非常に高い」(樋口氏)と語った。

Lyncを通じて全国のパートナーと共にOffice 365発売を祝った

(三柳 英樹)