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オラクル、Solaris環境を超高速化する「SPARC SuperCluster」新版を国内提供

Oracle SPARC SuperCluster

 日本オラクル株式会社は8日、「Oracle Solaris」と「SPARC T4」サーバーを搭載したエンジニアド・システム「Oracle SPARC SuperCluster」最新版の国内提供を開始した。

 SPARC SuperClusterは、ミッションクリティカルなデータベース、ミドルウェア、アプリケーションを単一システム上に統合し、クラウド環境で迅速に展開できるエンジニアド・システム。

 コンピュータ基盤としてSPARC T4サーバーの上位機種「SPARC T4-4」を最大4台搭載し、OSに「Solaris 10」または「Soraris 11」を採用。フルラック構成で、8コアのSPARC T4プロセッサ(最大3GHz)を最大16個(128コア)、メモリを最大4TBまで搭載できる。

 データベースマシン「Oracle Exadata X3 Database In-Memory Machine」と同様のストレージコンポーネント「Exadata Storage Server X3-2」を搭載し、従来機種と比べて最大4倍のフラッシュメモリ容量を備えるほか、データ処理を高速化する「Exadata Smart Flash Cache」によりデータ書き込み性能を最大20倍向上している。

 このほか、ミドルウェアを高速処理するソフトウェア群「Oracle Exalogic Elastic Cloud Software 2.0」に対応。最大40GbpsのスループットでストレージI/Oを高速化する「InfiniBand」スイッチや、データ圧縮・重複排除機能を統合したストレージ製品「Sun ZFS Storage 7320 Appliance」を事前に統合し、構成を最適化している。

 また新たに、Oracle Solarisの仮想化技術「Oracle Solaris Zones」により構築された領域内で、Exadata Storage Server X3-2で稼働するオラクルデータベースを仮想化し、分離されたデータベースサービスとしてクラウド環境で展開することが可能になった。SPARC SuperCluster単体に複数のオラクルデータベースとアプリケーションを配備することで、システム統合とクラウド環境での展開を容易に実現できるという。

 アプリケーション稼働要件の変化に応じて、SPARC SuperCluster内に構築された仮想領域間でCPUやメモリなどのリソースを柔軟に割り当て直すことも可能。

 管理面では、オラクルのハードウェア全体と仮想環境を管理する「Oracle Enterprise Manager Ops Center 12c」に対応。複数の管理ツールを使用し、手動でアプリケーションを設定、仮想環境を構築した場合と比べて、複数のアプリケーションをクラウド環境で展開する時間を最大90%短縮できるという。

 最小構成価格は7500万円(税別、ハーフラック)。

(川島 弘之)