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「Surface RT/Pro」法人向けに発売、樋口社長とリセラーが意気込み
(2013/9/2 16:36)
日本マイクロソフト株式会社は2日、タブレット端末「Surface RT/Pro」を法人向けに発売した。リセラー6社を通じて販売する。
法人市場ではタブレットのニーズが高まりつつあるが、一方で「キーボードやマウスが使えないタブレットは“タブレット未満”」と発表会に登壇したマイクロソフト代表執行役の樋口泰行氏が語るように、従来のタブレットは操作性などの面で導入を尻込みする企業が存在した。
Windowsの周辺機器が利用でき、運用管理やセキュリティも既存資産を活用できるSurfaceがその打開策となるか。「発売前にもかかわらず幅広い顧客からの引き合いを500件以上いただいている」と樋口氏。パートナーとともに法人タブレット市場への意気込みを見せた。
ラインアップは、「Surface RT 32GB(本体のみ、Office 2013 RT搭載)」「Surface RT 64GB(同)」「Surface Pro 256GB(本体のみ、Office非搭載)」の3種類。参考価格はそれぞれ3万9800円、4万7800円、9万9800円。
Surfaceは、シネックスインフォテック、ソフトバンクBB、ダイワボウ情報システム、ネットワールドの4社がマイクロソフト認定ディストリビューターとして取り扱い、6社の認定リセラーが販売する。リセラーはウチダスペクトラム、大塚商会、キヤノンマーケティングジャパン、日立システムズ、富士ソフト、リコージャパン。
「これがタブレット、今までのはタブレット未満」樋口氏
登壇した樋口氏は「おかげさまで一般向けの店頭販売を開始させていただき好評を得ている。週によってはiPadより売れるときもある」と一般市場でのSurfaceの状況を説明。
「法人向けは発売前から幅広い顧客から引き合いをいただき、すでに500社を超えている。XPのサポート終了ということで法人ではOSの移行需要が高まり、それと相まってタブレット導入に目が向けられているように感じる。特に小売・運輸・保険・金融のフィールド業務、ペーパーレス、顧客接点の端末としてニーズが高いようだ」。
「(Surfaceは)従来のWindows環境が利用できて管理やセキュリティが二度手間にならず、周辺機器も使える。これがタブレット、今までのはタブレット未満。タブレットOSへの関心を調査した結果、(iOSでもAndroidでもなく)Windowsへの興味が一番多かったという報告もある。Surface Pro発売後、3カ月でここまでの関心を得ることができた」と語った。
Surfaceの発売に伴い、マイクロソフトでは全社員にSurfaceを配布。顧客へのPRなどに社員自身が活用しているという。特に営業はこれまでハードウェアの売り上げは自身の業績に影響しなかったが、この7月からサードパーティのOEMハードウェア製品も含め、売れれば成績につながるようなシステムにも変更している。
樋口氏は「他社のWindowsタブレットと競合する場面も出てくるだろうが、それよりもWindows勢としてほかのOS勢に挑んでいくという姿勢。多くのハードウェアがあり、ユーザーに選択肢があるというのが、Windowsエコシステムの一番の強み。そのためにも協業を重視していく」と述べ、Windowsタブレット全体で他OSに追いつき、追い越す体制を整えたいとした。
2300台のSurfaceを導入した北國銀行、採用理由は?
なお、現在、Surface導入企業としては、北國銀行、ムビチケ、パソナ(他機種との混合)の事例が公開されている。
【お詫びと訂正】
初出時、導入企業の中に明治安田生命を含めておりましたが、同社が導入しているのは富士通製タブレットでした。お詫びして訂正いたします。
発表会には、そのうち北國銀行がゲスト登壇。同行では、情報系IT基盤をマイクロソフト製品に統一し、その中でクライアント端末もSurface Proに全面移行。合計2300台を導入した。
その採用理由について、同社代表取締役 専務取締役の前田純一氏は次のように説明。「SurfaceがタブレットでありながらWindowsで、ハードウェアキーボードを備えるため、タブレットとしてもPCとしても使えること。従来はノートPCとタブレットを別々に利用していたが、それをSurfaceに統一できるため、維持管理が簡単になった。また、Surfaceがハードウェア的に優れている点もニーズにぴったりだった。画面がフルHDで、顧客へ見せる場合も見栄えが良く、スタイラスペンで顧客と契約する際も便利に使えると考えた」。