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ネットワン、NICTの実験・検証エミュレーション基盤を「QFabric」で構築

 ネットワンシステムズ株式会社(以下、ネットワン)は11日、独立行政法人 情報通信研究機構(以下、NICT)の世界最大規模の実験・検証エミュレーション基盤「StarBED3(スターベッド・キュービック)」の新ネットワークインフラを、Juniper Networksの最新データセンター・ファブリック技術「QFabric」で構築し、稼働開始したと発表した。

 StarBED3とは、民間企業・大学・公的研究機関などの研究者が利用する、サーバー数百~100万台レベルの総合的な実験・検証が可能なエミュレーション基盤。国内において集中型でサーバー1000台を超える大規模なエミュレーション基盤はStarBED3のみであり、国内におけるエミュレーション研究開発の中心的な役割を果たしているという。

 利用者に向けて次世代ICT技術の実験・検証を可能とするエミュレーション基盤を提供する上で、NICTは「224台という多くのサーバーからの10GbE接続に対して低遅延であること」「実験ごとに論理構成を変更でき、かつ運用管理が容易なこと」を要件として、ネットワークインフラの刷新を検討した。

 この要望に対してネットワンは、Juniper Networksの最新データセンター・ファブリック技術であるQFabricによるネットワークインフラを提案・構築した。QFabricは複数のコンポーネントを仮想的に単一のスイッチのように連携させ、新しいネットワークアーキテクチャを実現する技術。従来の一般的なツリー型ネットワーク構造とは異なり、サーバー間通信におけるネットワーク機器の経由数を少なくするとともに、帯域使用率を最大化できる。これにより、NICTの2つの要件をクリアした。

 具体的に導入した機器は、ネットワークインフラとして、エッジデバイス「QFX3500」×16台、エッジデバイスをフルメッシュで相互接続する高速伝送デバイス「QFX3600-I」×4台、これらデバイスを仮想的に単一論理スイッチとして管理・運用する「QFX3100」×2台。サーバー群として、10GbE接続が可能なブレードサーバー×224台、AMDの省電力・超高密度サーバー「SeaMicro SM15000-XE」×1台。

(川島 弘之)