ジュニパー、ネットワークのフラット化を実現する「QFabric」
最初の製品としてファブリック・スイッチ「QFX3500」を提供
QFX3500 |
ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)は25日、データセンターファブリックを構成するアーキテクチャ「QFabric」と、その最初の製品となるデータセンター・ファブリック・スイッチ「QFX3500」を発表した。ジュニパーが数年間にわたって研究してきた、データセンター向けネットワークの開発プロジェクト「Stratus Project」の成果として提供される。
従来のデータセンターのネットワークに採用されてきた、コア、アグリゲーション、エッジといった多階層モデルでは、構造が複雑化して管理が煩雑になったり、速度面でデメリットが生じたりしてしまう。そこでジュニパーではこれを2階層に圧縮し、コスト削減などのメリットを得る手法を提唱してきた。
Stratus Projectではさらに、ネットワークを単一層に圧縮し、フラット化と簡素化を図るとしてきたが、今回発表されたQFabricアーキテクチャによって、「単一スイッチのパフォーマンス、シンプルさとネットワークの拡張性・弾力性を持つ」理想のネットワークを提供。サービスの質と経済性の両立を実現する、きわめて簡素化された、拡張性の高いデータセンターネットワークを実現するという。
具体的にQFabricは、ファブリックの分散型ディシジョン・エンジンとして動作する「QF/Node」、複数のQF/Nodeをファブリックとして集約する高速転送デバイス「QF/Interconnect」、それらを統合的に一元管理するための専用デバイス「QF/Director」といった、3つのコンポーネントから構成される。
QFX3500はこのうちのQF/Nodeにあたる製品で、FCoEおよびFCへのゲートウェイ機能を搭載。インターフェイスは64ポートの10GbEを搭載可能という。参考価格は482万8000円(税別)からで、3月中の受注開始を予定している。
なお、残る構成要素のQF/InterconnectおよびQF/Directorは、2011年第3四半期(7月~9月)に販売を開始する予定である。