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NEC、中堅・中小企業向けの顔認証ソリューション事業を強化

 日本電気株式会社(以下、NEC)は13日、SMB市場(中堅・中小企業)向け顔認証ソリューション事業を強化し、ISV(独立系ソフトウェアベンダー)/ハードウェアメーカーなどソリューションパートナーとのアライアンスプログラムの新設や、全国の販売パートナーに対する支援体制を強化するとともに、顔認証関連製品のラインアップを強化すると発表した。

 アライアンスプログラムについては、ネットワークカメラや入退管理システム、勤怠管理システムなどを有するISV/ハードウェアメーカーなどの、ソリューションパートナーを対象とした「ソリューション開発プログラム/顔認証」を開始する。

 プログラムでは、専任担当者による技術トレーニングやシステム連携のためのWebAPIの公開、開発・検証用機材の提供などを行う。これにより、NECのSMB市場向けの顔認証関連製品と連携した新たなソリューションを創出・提供し、販売拡大を目指す。

 プログラムにはすでに19社のソリューションパートナーが賛同を表明。具体的なソリューションについても、クマヒラのセキュリティゲート、OBCの勤怠管理システム「OMSS+ 勤怠管理サービス」、ローレルバンクマシンのロボット受付番号呼び出しシステムと組み合わせたソリューションの提供を予定している。

 拡販体制の強化については、NECの全国拠点に顔認証ソリューションの担当者を計100人配置し、販売パートナー向けの講習会や販売・技術トレーニングの提供、客先提案の支援などを実施。全国各地で顔認証ソリューションの実機を体験できる環境を整える。また、ネットワークカメラなどの設置や工事、保守も含めて支援できる体制を、全国約400拠点で計4000人のエンジニアを有するNECフィールディングと連携して整備する。

 SMB市場向け顔認証関連製品のラインアップについては、現在販売中で、顔認証ソフトウェアをプリインストールしたアプライアンスサーバーと導入サービス・保守サービスをセットにした「顔認証システム導入セット」の機能を強化。外部システムとの連携のためのWebAPIを強化するとともに、顔認証時の他人への「なりすまし」対策を強化。その一環として、NECプラットフォームズの入退管理ソリューション「SecureFrontia X」と組み合わせた連携ソリューションを提供し、顔認証とICカードを用いた2要素認証のセキュアな入退管理を実現する。

 新たな製品としては、顔認証システムに登録した顔情報を、複数拠点・店舗間でリアルタイムに共有できる「顔情報共有マネージャ」を6月末に提供開始する。価格は30万円(税別)から。

 顔情報共有マネージャは、顔認証システムを導入済みの拠点だけでなく未導入の拠点においても、他拠点で登録者を検知したことなどの情報閲覧、通知の受信が可能。スマートフォンやタブレットを用いて共有ポータル経由で、遠隔地から顔情報の登録も行える。たとえば多店舗展開している小売業やサービス業において、VIP顧客情報の共有によるサービス品質の向上が期待できるとしている。

 情報を共有するためのポータルサイトは、安全性の高い閉域網を利用してユーザー権限に対応した認証機能を設けることで、許可されたユーザーのアクセスに限定することができる。

 また、「顔認証システム導入セット」および、顔認証と映像管理システムの連携を実現した「ビデオマネジメントシステム導入セット」のオプション機能として、「FieldAnalystオプション」を追加する。出荷開始は4月28日。価格は39万1000円(税別)から。

 FieldAnalystオプションは、画像認識技術により、カメラ映像からリアルタイムに人物・顔を検出して、年齢や性別などを自動で推定し、来場者・来店者の分析を容易に可能にする。これにより、マーケティングやおもてなし用途での活用が期待できる。また、画像データは保存しないため、個人情報やプライバシーにも十分配慮している。

 今後、オプションとNECディスプレイソリューションズの電子広告&掲示板システム「AdWindow」を連携し、視聴者ごとにコンテンツを切り替えるソリューションのセットモデルの提供も予定する。