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国内企業のIoT利用率は5.4%、大手製造業を中心に利用率は向上~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は13日、国内IoT(Internet of Things)市場の企業ユーザー動向調査結果を発表した。

 この調査は、2016年5月~7月、従業員規模100名以上の全国の企業を対象に行われたもので、IoTの利用動向に関する定量調査(Webアンケート)および定性調査(個別の対面インタビュー)を実施している。

 それによると、Webアンケートに対して回答があった4517社のうち、IDCの定義するIoTの利用企業は245社(利用率5.4%)となり、昨年の調査より0.5ポイント増加。大手の製造業を中心にIoTの利用率は着実に向上しており、いずれの産業分野でもIoTに対する認知度が高まってきているという。

 またIDC Japanでは、IoT利用企業の産業分野を4つのセクターに分類しているが、IoTの利用率が最も高いのは製造/資源セクターで、利用率は8.5%。同社では、この要因として、組立製造/プロセス製造分野を中心にさまざまな組み込み機器が古くからIoTとして活用されてきていることが関係している、と指摘する。

 同セクター以外の利用率は、流通/サービスセクターが3.2%、公共/インフラセクターが4.0%、金融セクターが3.5%。

 利用用途別に見た場合は、M2M時代の名残りとして、自社内の業務効率化/コスト削減を目的とした「社内用途」のIoTが全体の8割以上を占めた。一方で、社外顧客へのサービス付加価値向上/新ビジネス創出を目的とする「社外用途」も徐々に広がりつつあるとのこと。なお、社内用途でのIoT利用企業の課題は、費用対効果の明確化の難しさ、セキュリティ懸念、技術力不足、人材育成の遅れなどがあるという。

 IoTの導入/運用窓口については、事業部門の割合(約46%)がIT部門の割合(約32%)を上回る結果となった。IDC Japanでは、事業部門が主体となってIoTビジネスを加速しているのに伴って、各産業分野に強みを持つ非IT事業者と企業の事業部門が密に連携し、新たなIoTのユースケースを創出するようなケースが増えると見ている。