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Zabbix Japan、OSSの統合監視ツール「Zabbix 3.0」搭載アプライアンス2製品

「Zabbix Enterprise Appliance ZS-5300」(左)と「同 ZP-1300」(右)

 Zabbix Japan合同会社は7日、オープンソースの統合監視ツール「Zabbix 3.0」を搭載したアプライアンス「Zabbix Enterprise Appliance ZS-5300」「同 ZP-1300」を同日より提供開始すると発表した。

 Zabbix Enterprise Applianceは、システム監視、障害通知、グラフ表示など、Zabbixの全機能を活用したシステム監視・運用を容易に開始できるアプライアンスサーバー。サーバーハードウェアにあらかじめZabbixのソフトウェアが導入されているため、Zabbixのインストールと初期設定、データベースのチューニング、周辺ソフトウェアの設定といった煩雑な作業を行うことなく、すぐに利用を開始できるという。

 今回提供開始する新製品では、最新版であるZabbix 3.0の新機能により、Zabbixモジュール間(Zabbixサーバー、Zabbixプロキシ、Zabbixエージェント)で行われる通信を暗号化可能になったため、ローカル環境やクラウド上にあるZabbixサーバーとの通信、分散したされた拠点の一元監視において、セキュアな監視を実現可能とした。

同一拠点内のサーバーとクラウド上のサーバーを統合的に監視できる

 また、Zabbix 3.0で追加された予測検知のトリガー関数は、障害の発生を予測してアラートを上げることが可能。例えば、ストレージの使用量の増加を分析して空き容量がいつ枯渇するかを予測し、グラフや通知機能によって重要な問題を予防する、と利用法に対応する。

 さらに、Webインターフェイスのデザインを一新し、画面還移や基本的な操作性は以前のバージョンを踏襲しつつ、使い勝手を向上させたとのこと。ハードウェアには、これまでのZabbix Enterprise Applianceのベースとしても実績のあるぷらっとホーム製の小型、ファンレス、スピンドルレスのハードウェアを引き続き採用している。

 新製品のうちZS-5300は、およそ200監視対象までのシステムを監視でき、中小規模のシステムに対して簡単に統合監視ソリューションを導入することが可能。15Wの低消費電力、周辺温度が50℃でも運用できる空調いらずの堅牢設計といった従来製品「ZS-5200」の特長を受け継いでいる。

 一方のZP-1300は、Zabbixのプロキシサーバーを搭載しており、Zabbixサーバーの子サーバーとして動作する製品で、およそ200監視対象までのシステムを監視可能。収集した監視データはZabbixサーバーに送付され、監視データは一元管理される。また、あくまでもプロキシの機能を提供するアプライアンスのため、この製品だけで監視を行うことはできない。

 なお、すでに「ZS-5200」「ZS-5220」「ZP-1200」「ZP-1220」といった既存製品を利用しているユーザーは、Zabbix Enterpriseサイトでソフトウェアをアップデートすれば、ZS-5300、ZP-1300と同等の機能を実装できるとのこと。

 Zabbixでは、6月8日~10日に幕張メッセで開催される「INTEROP Tokyo 2016」の同社ブースにて、ZS-5300、ZP-1300を展示するとしている。