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NTTネオメイト、ワークスタイル変革を後押しするクラウドソリューションを提案

クラウドEXPO ブースレポート

 NTT西日本グループの株式会社NTTネオメイトとNTTスマートコネクト株式会社は、5月11日~13日に東京ビッグサイトで開催されている「第7回 クラウド コンピューティングEXPO【春】」に出展。西日本全域のインフラを長年支えてきたIT技術と運用ノウハウを生かし、さまざまなクラウドサービスを提案している。

出展ブースのNTTスマートコネクト側(左)、NTTネオメイト側(右)

 出展ブースでは、高信頼のデータセンターをベースにしたNTTスマートコネクトのクラウドインフラサービスとして、仮想専用サーバー「スマートコネクト VPS」や物理リソース専有型仮想サーバー「スマート フレックス」、大容量ストレージサービス「スマートストレージ」などを紹介。またNTTネオメイトは、仮想デスクトップからスマートデバイスの活用、無線LAN導入支援まで、NTT西日本グループへの導入運用実績で培ったクラウドソリューション「AQStageシリーズ」を紹介している。

 特に今回、NTTネオメイトでは、「AQStage 仮想デスクトップ」と「AQStage クラウドデータバックアップ by Druva」にフォーカスをあて、企業におけるワークスタイル改革とセキュリティ向上の両立を実現するソリューション提案に力を注いでいる。

AQStage 仮想デスクトップ

 「AQStage 仮想デスクトップ」は、既存のPC、シンクライアント端末、スマートデバイス、タブレット端末など様々なデバイスに対応し、時間・場所・端末に左右されない自由なワークスタイルを実現する、クラウドベースのDaaS(Desktop as a Service:仮想デスクトップサービス)だ。DaaSと聞くと、信頼性やパフォーマンスの問題、小規模導入におけるコストなど、業務での利用に不安を感じる人も少なくないが、「AQStage 仮想デスクトップ」では、これらの課題をすべて解決し、ワークスタイルの変革とセキュリティの向上、さらにはTCOの削減までを実現するソリューションとなっている。

展示パネルではワークスタイル変革を前面に押し出していた

 まず信頼性の面については、2013年からサービス提供を開始し、NTT西日本グループ企業各社へ3万5000台の大規模導入を行うなど、豊富な運用実績とノウハウを蓄積していることが挙げられる。現在では、グループ外の一般企業へのサービス導入も拡大しており、2016年1月時点で総計5万台以上もの仮想デスクトップを安定運用するなど、顧客のビジネスを支えているという。

 また、仮想化サーバーのプラットフォームに「VMware Horizon View」の仕組みを採用している点も見逃せない。一般的なDaaSは、クラウド向けの「VMware Horizon DaaS」を利用しているケースが多いが、「AQStage 仮想デスクトップ」では、フル機能を備えた「VMware Horizon View」を利用することで、DaaSでありながらオンプレミス型と同等の信頼性を確保している。例えば、デスクトップタイプとして、フルクローン方式とリンククローン方式を選択することができ、単一のマスターOSをすべての仮想デスクトップ環境に共通化して設定するリンククローン方式を採用すれば、セキュリティ上のリスクを大幅に低減することが可能になる。

 パフォーマンスの課題に対しては、DaaSを安定運用するための性能(IOPS)保証機能を提供する。DaaSは、ストレージのI/O性能がボトルネックとなりデスクトップの動作が遅くなることが多いが、この性能(IOPS)保証機能では、各仮想デスクトップごとに標準で20IOPSのディスク性能を予約することができるという。これにより、予期せぬ負荷上昇時にも、最低限予約した性能は確保され、大幅なパフォーマンスの低下を防ぐことができる。

 コスト面についても、例えば100台規模の小規模導入でも割高にならないように工夫されているほか、本格導入の前に検証できる「PoC」プランを用意しており、アプリケーションの動作確認や移行の手順など、導入前に気になるポイントを検証・確認できるお試し環境を低コストで提供する。これまでの導入で培ったノウハウを生かしてコンサルティングサービスも提供しているので、相談しながらの導入も可能だ。

単なるクラウドサービスの提供にとどまらず、これまでの運用実績やコンサルティング力、サービスラインアップの広さなどをアピールしている

AQStage クラウドデータバックアップ by Druva

 もう一つのクラウドソリューション「AQStage クラウドデータバックアップ by Druva」は、持ち出しPCに対する万一の危機に備えたデータ管理を手軽に実現するデータ保護&ガバナンスソリューションとなっている。大きな特長は、PC、タブレット端末、スマートフォンなどさまざまな端末上から、ファイルをクラウドサーバーに安全にバックアップし、一元管理できる点だ。

 バックアップ用のクラウドサーバーは、高信頼・高性能な国内リージョンのAWS上に構築しており、セキュアかつ高速なバックアップ&リストアを実現。バックアップ処理には、ブロックレベルの重複排除を採用し、ファイル内の変更部分のみが転送されるため、余計なネットワークトラフィックやストレージ容量を増やすことなく利用できる。また、情報漏えい対策機能も充実しており、ローカルデータの暗号化、リモートワイプ/オートワイプ、位置情報追跡、紛失ファイルの確認といった機能を提供する。

 管理機能としては、セキュアなガバナンスプラットフォームをクラウド上に構築し、各端末を一括管理することができる。例えば、管理画面からユーザーのバックアップデータを分析し、端末内に不正なファイルがないか検索したり、万が一の情報漏えいの際も、該当ファイルを誰が所持していたのかを検索できるなど、データガバナンスの大幅な強化を実現する。また、Web管理ポータルからは、各端末のポリシー設定などを一括設定できるほか、バックアップの状況やバックアップ容量、端末の状態、クライアントのバージョンなどの利用状況も一目で確認することが可能となっている。

単なるクラウドサービスの提供にとどまらず、これまでの運用実績やコンサルティング力、サービスラインアップの広さなどをアピールしている

 さらに、今回のブース展示では、最近急増しているランサムウェアへの効果的な対策として、「AQStage クラウドデータバックアップ by Druva」を推奨している。ランサムウェアは、感染すると勝手に暗号化を行う悪質なウイルスで、復号するために金銭を要求されるケースもあるという。これに対して、「AQStage クラウドデータバックアップ by Druva」を利用すれば、感染しても、感染前のファイルをクラウドからすぐに復旧することが可能だ。またクラウド型なので、記憶媒体や設備を準備することなく、迅速かつ低コストにバックアップサービスを利用開始することができる。

ランサムウェア対策をアピールしたチラシが配布されていた

 このほかにも、「AQStageシリーズ」では、企業のワークスタイル変革を後押しする様々なソリューションラインアップを用意している。BYODを実現する「AQStage スマートデバイス管理 by AirWatch」、スマートデバイス活用を支援する「AQStage セキュアルック」、「AQStage 仮想スマートデバイス」、PC運用管理にかかる業務を効率化する「AQStage デスクトップ統合管理 by VMware Mirage」、オフィスの無線LAN化を実現する「AQStage 無線LANクラウド」など。NTTネオメイトでは、「AQStage 仮想デスクトップ」と「AQStage クラウドデータバックアップ by Druva」を中核に、これらのソリューションを組み合わせることで、各企業に最適なクラウドサービスを提案し、ワークスタイル変革を支援していく考えだ。

唐沢 正和