次世代のデータセンター設備を多数展示、最新の直流給電システムやコンテナ型データセンターも

グリーンIT&省エネEXPO 会場レポート


 「第2回クラウドコンピューティングEXPO 春」や「第14回組込みシステム開発技術展(ESEC)」など、11の展示会のセミナーからなる「Japan IT Week春」が、5月11日から13日まで東京ビッグサイトで開催されている。

 「第3回グリーンIT&省エネ ソリューション EXPO(GRIX)」の一角には「次世代データセンターゾーン」が設けられており、消費電力削減などデータセンター向けの新しい設備技術を各社が紹介している。

 

直流給電システム2方式が展示

 サーバーに交流(AC)ではなく直流(DC)で給電することで、UPSを含めた交流・直流変換による電力ロスを防ぐ高電圧直流(HVDC)給電システムが、日本無線およびNTTデータ先端技術と、NTTファシリティーズの2ブースで展示されている。

 日本無線とNTTデータ先端技術によるブースでは、12V給電方式を展示している。先日、さくらインターネットの石狩データセンターでの検証実施も発表された方式だ。12Vはサーバーのマザーボードに給電される電圧と同じであるため、サーバー内での電圧変換が不要なのが特徴だという。会場では、サーバーラックに集中電源を設け、NTTデータ、NEC、IBM、シスコ、ジュニパー、VORTECHS、さくらインターネットなどのサーバーやネットワーク機器に12Vで給電させるデモも行われている。

サーバーラックに集中電源を設け、サーバーやネットワーク機器に12Vで給電させるデモ
ラック背後の電源部分。AC電源が外され、DC12Vで給電される参加各社のロゴが並ぶ

 NTTファシリティーズのブースでは、380V方式の給電方式を展示している。高電圧を採用することにより電流を下げられるため、ケーブル小径化などのメリットがあるという。安全のため、HVDCコンセントはしっかり固定され、ロックを外すと給電が切れるようになっている。

NTTファシリティーズのHVDC給電システム安全のため、HVDCコンセントはしっかりロックされる

 

コンテナ型データセンターも各社から

 昨日の記事で紹介したIIJだけでなく、データセンターや局舎の建設で歴史のあるNTTファシリティーズと、古くからコンテナ型データセンターを手がけている日本SGI(旧Rackable)も、コンテナ型(モジュール型)のデータセンターを展示している。

NTTファシリティーズのモジュール型データセンター。セルモジュール型とコンテナタイプがある
コンテナ内部通気孔
SGIのコンテナ型データセンター「SGI ICE Cube Air」。外気冷却方式を取り入れ、PUE 1.02を実現するという
SGI ICE Cube Airの内部

 

冷却や排熱は永遠の課題

 省エネとしては、冷却や排熱の方式の工夫が各社により展示されている。データセンターにとって、やはり冷却や排熱は常に追求される課題だ。

大成建設による、さくらインターネット石狩データセンターに関する展示。外気冷却によりPUEを下げている
ラックの上や側面にダクトを設けて空調効率を向上させるダクトキッピング空調システム
日立プラントテクノロジーのRef Assistシステム。冷媒の自然循環を利用した局所冷却により、空調の消費電力を下げるほか、空調機や空気搬送スペースなどの空間を削減できるという
ebm-papstインダストリーズジャパンは、大小さまざまなモーター一体型ファンを展示
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