ニュース

シスコ、職場における人間とAIエージェントの活発な連携を推進するソリューションを発表

 米Cisco Systems(以下、シスコ)は現地時間9月30日、年次イベント「WebexOne 2025」において、職場における人間とAIエージェントの活発な連携を推進するソリューションを発表した。発表には、Cisco AI Assistantの新たなエージェント機能、シスコデバイス向けのRoomOS 26、シスコデバイスとWebex Suiteの特定目的向けの連携が含まれ、組織がデジタルエージェントの容易な管理とシームレスな連携を実現できるようにする。

 Connected Intelligenceと呼ばれるこの新たなコラボレーションの形では、人間とAIエージェントが混在するチームが連携・協力し、シスコの信頼性の高いプラットフォーム上ですべての接続の安全性とレジリエンスを実現するとしている。

 従業員はAIエージェントを活用することで、集中を妨げるものを最小限にして、定型業務を自動化し、最も重要な仕事に集中できると説明。Cisco AI Assistantの新機能は、この体験をさらに高め、従業員を能動的に支援する。

 Task(作業)エージェントは、会議の書き起こしから行動項目を能動的に生成し、手作業でのフォローアップを軽減する。この機能は2026年第1四半期に一般提供を開始する。

 Notetaker(議事録)エージェントは、対面での会議の内容をリアルタイムに書き起こして要約し、突発的な打ち合わせやブレインストーミングの重要な内容も逃さず記録する。RoomOS 26上で動作するWebex Appおよびシスココラボレーションデバイスで提供される。この機能は2026年第1四半期に一般提供を開始する。

 Polling(投票)エージェントは、会議中にライブ投票を自動で提案し、参加者の参画を促し、リアルタイムに意見を収集する。この機能は2026年第1四半期に一般提供を開始する。

 会議日程調整ツールは、会議を設定したいときにAIエージェントが自動的にフォローアップの必要性を判断し、参加者の予定を調整して日程を提案する。この機能は2025年第4四半期に一般提供を開始する。

 Webex CallingのAI受付担当者機能は、Webex AI Agentによる常駐の仮想受付担当が、定型的な問い合わせを自動化して、顧客の質問に回答し、通話転送や予約設定などの業務を遂行する。この機能は2026年第1四半期に一部提供を開始する。

 また、オープンエコシステムのアプローチとして、2025年第4四半期に一般提供開始予定のCisco AI Assistantは、主要なエンタープライズナレッジアプリケーションと連携する。

 Amazon Q indexとの連携では、高度なセマンティック検索とリアルタイムのインデックス作成で、エンタープライズデータへの安全で拡張性の高いアクセスを提供する。正確でコンテキストリッチな回答が提供されるため、より速やかにスマートなインサイトを得て、チーム全体で生産性を向上できる。

 Microsoft 365 Copilotとの連携では、WebexユーザーはCisco AI AssistantからMicrosoft Copilotに検索をかけ、Webexから切り替えることなくSharePointやOneDriveのファイルや情報に簡単にアクセスできる。また、相互連携により、Microsoft CopilotのユーザーはCopilotから直接Webex AIの会議や会話の要約を検索し、アクセスできる。

 JiraおよびSalesforceとの連携では、AIエージェントが、ユーザーの代わりに行うチケットの作成や更新、新たなリードの獲得といったサードパーティのアプリケーション内のタスクを、Webex App内のCisco AI Assistantを介して実行できる。同機能は2026年第1四半期に一般提供を開始する。

 シスコのインテリジェントなデバイスOSの最新版となるRoomOS 26は、AIを新たな形で活用し、コラボレーション体験を高める。NVIDIA搭載シスココラボレーションデバイスは、2025年第4四半期に一般提供開始予定のRoomOS 26の新機能により、会議室で直接インテリジェンスを実現する。

 Notetaker(議事録)エージェントは、ローカルミーティングの内容をリアルタイムに書き起こして要約し、突発的な打ち合わせやブレインストーミングの重要な内容も逃さず記録する。このエージェントは、Webex Suiteでも提供される。

 Directorエージェントは、会議の流れを予測してこれに適応し、臨場感のある映画のような映像を自律的に提供する。

 オーディオゾーンは、IT担当者が数秒で会議スペースのデジタル境界を定め、AI搭載 Ceiling Mic Proがその境界内の音だけを拾うように設定できる。

 Workspace Advisorエージェントは、シスココラボレーションデバイスに搭載された高性能カメラとNVIDIAのチップセットを活用し、物理空間の「デジタルツイン」を生成する。IT担当者はこの3Dで再現された空間を、Workspace Designerの使い慣れた操作でControl Hubに取り込み、会議スペースの設定を最適化するためのインサイトを得られる。

 シスコは、RoomOS 26上で動作するNVIDIA搭載デバイスに、Microsoft Device Ecosystem Platform(MDEP)を導入する。シスコ独自のアーキテクチャにより、シスココラボレーションデバイス上でMicrosoft Teams Roomsを利用する顧客は、Microsoftの最新セキュリティ機能やイノベーションを活用しながら、シスコデバイスの豊富な機能のメリットを享受できる。さらに、Zoom for Cisco Roomsにより、シスコデバイスからZoom Meetingsへの参加が容易になり、顧客にさらなる柔軟性と選択肢を提供する。