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30周年を迎えた堅牢ノートPC「タフブック」、半屋外や屋内などを視野に入れターゲットを拡大
2026年4月17日 06:00
パナソニック コネクト株式会社は14日、堅牢ノートPC「タフブック」の新製品として、過酷な現場からのオフィスワークに対応する14.0型ノートPC「FZ-56」を6月に発売すると発表した。あわせて、シリーズ最高峰の堅牢性を持つという14.0型ノートPC「FZ-40」の新モデルも4月に発売する。
タフブックは、「堅牢」「長時間」「拡張性」を特徴に、「絶対に止められない現場のための究極の堅牢PC」と位置づけられており、車両整備や物流ターミナル、冷蔵倉庫、警察、消防、災害復旧などの現場のほか、食品製造などの粉が多い現場、水しぶきが避けられない製造ラインでの活用提案も促進していくことになる。
4月1日付で、同社PC事業をリードするモバイルソリューションズ事業部マネージングダイレクターに就任したパナソニック コネクト 執行役員 ヴァイス・プレジデントの青木秀介氏は、「過去3年間は、変革による体質強化、収益性向上に取り組んできた。2026年度からは、これを維持しながらグローバルでの成長を求めていくことになる。1996年の発売以来、30周年を迎えたタフブックが、今後30年間、堅牢ノートPCでトップシェアを維持できるように、目線を高く追っていく。PC事業はアクセルを踏んでいくことになる」と発言。「タフブックの特徴である堅牢PCという付加価値が、日本のお客さまに届け切れていないという反省がある。日本において、堅牢PC市場を確立することに力を注ぐ」と述べた。
タフブックは、堅牢ノートPC市場において、24年連続でグローバルシェアナンバーワンを獲得。2025年度は、国内販売金額および販売台数は過去最高を達成している。
青木マネージングダイレクターは、「タフブックは、過酷な現場や厳しい環境にも耐えることができ、圧倒的に強いモバイルPCである。『現場を止めない』ことに徹底的にこだわり、現場に真摯(しんし)に寄り添い進化を遂げてきた。ビジネスPCでは耐えられない現場でも、タフブックであれば耐えられる。衝撃、落下、振動、粉塵や水、高温や低温にも耐えることが可能だ。大容量バッテリーを最大2個搭載し、ホットスワップにも対応し、長時間駆動する。そして、必要なインターフェイスをカスタマイズして搭載する豊富なアタッチメントオプションにより、さまざまなニーズに対応できる柔軟な拡張性も備えている。別格の信頼性を持つ」と胸を張った。
また、パナソニック コネクト モバイルソリューションズ事業部 国内営業総括部 ダイレクターの重野敬人氏は、「パナソニック コネクトは、ビジネスPCのレッツノートと堅牢PCのタフブックを、現場環境に応じてワンストップで提案できる唯一無二の国産PCメーカーである。屋外の過酷な現場ではFZ-40を提案し、雨風にはさらされないが、高温や低温、粉塵が漂うような半屋外や屋内にはFZ-56を提案する。最近では、国内において、半屋外や屋内でタフブックを利用するという引き合いが増えている。ビジネスPCを使っていたが、粉塵などの影響によって止まってしまうという課題が多く、タフブックに置き換えることで解決した実績が増えている。半屋外、屋内などにも提案の裾野を広げたい。堅牢PCといえばタフブック、The堅牢PCとしてのイメージを定着させていく」と語った。
過酷な現場からのオフィスワークに対応する14.0型ノートPC「FZ-56」
「FZ-56」は、移動中や不安定な足場での使用を想定して、米国防総省のMIL規格(MIL-STD-810H)に基づいた耐衝撃性を持つほか、26方向からの90cm落下試験や耐振動試験を実施するなど、独自の判定基準を設けて、それをクリアしているという。さらに、微細な粉塵が舞うような現場でも安心して使えるように、IP53の防塵・防滴性能を備えている。
マイナス10℃の極寒地や冷蔵倉庫、50℃に達するような直射日光にさらされる夏季の屋外施設まで、厳しい温度変化に耐えられる耐低温および耐高温設計を採用。手袋を装着したままのタッチ操作が可能であり、さまざまなシーンでのプロフェッショナルの業務を支えることができる。また、約1,000cd/m2の高輝度液晶にARフィルム(低反射処理)を採用し、太陽光が降り注ぐ現場や、画面が見えにくい環境でも高い視認性を確保している。
標準搭載の大容量バッテリーでは、約13.5時間の連続駆動ができるほか、オプションのセカンドバッテリーを装着すると、最大約27時間の動画再生駆動を実現する。電源が確保できない屋外や長時間にわたる現場作業でも、連続使用が可能になる。
バッテリーを2個搭載している場合には、電源を切らずにバッテリー交換が可能なホットスワップに対応しており、予備バッテリーを準備することで、システムを停止させることなく連続運用が可能。絶対に止められないミッションクリティカルな現場の要求に応えられるという。
さらに、用途に合わせて機能をカスタマイズできる3つの拡張エリアを持ち、2.5Gbps LANやDVDマルチドライブなど、現場独自のニーズに合わせたインターフェイスを搭載できる。モジュラー構造を採用しているため、業務環境の変化に合わせて必要な機能を拡張できるのも特徴だ。
CPUには、インテル Core Ultra 5プロセッサー シリーズ2を搭載。さらに、ディスクリートGPUを搭載したモデルをタフブックシリーズとして初めてラインアップし、3D CADやBIMデータを現場で直接確認しながら、現場指揮や進捗管理ができるようにした。
パナソニック コネクトの重野氏は、「FZ-56は、現場でもオフィスでも使える高性能なPCとして提案していく。現場でもビデオ会議を行うといった用途が増えている。スピーカーやマイクの性能はあまり求められていなかったが、今回の製品では、会議の際の音質にもこだわっている。ノイズキャンセリング機能も搭載している」と述べた。
シリーズ最高峰の堅牢性を持つ14.0型ノートPC「FZ-40」
「FZ-40」は、圧倒的な耐衝撃性能を実現しているのが特徴であり、独自の厳格な判定基準をクリア。180cmの高さから、26方向での落下に耐える堅牢性を持つ。また、IP66準拠の防塵・防滴設計により、視界を遮るほどの砂塵が舞う現場や、激しい風雨にさらされる屋外でも安定稼働ができる。
マイナス10℃~50℃までの広範な動作温度に対応しているほか、大容量バッテリーで約13時間の稼働時間を持ち、セカンドバッテリー装着時には、最大約26時間の利用が可能だ。FZ-56と同様にホットスワップにも対応している。
拡張エリアは4つ搭載しており、シリアルポートやスマートカードリーダーなども利用できる。
CPUには、インテル Core Ultra 5プロセッサー シリーズ2を搭載しており、高度な処理能力によって、オフィスワークの生産性を引き上げるだけでなく、現場におけるデータ解析などにも対応する。
14.0型ディスプレイは、約1,200cd/m2の高輝度液晶を採用。ARフィルム(低反射処理)を使用している。
パナソニック コネクト モバイルソリューションズ事業部 共通技術総括部プロジェクトマネジメント部 プロジェクトマネージャーの西村俊郎氏は、「バッテリーを大きくすることで重量が増加し、落下耐性が弱くなるという課題が生まれる。また、拡張のために筐体に空間を持たせると強度が保てなくなる。この相反する要素を両立したのが新製品のポイントであり、FZ-56およびFZ-40は、ビジネスPCよりも圧倒的に強い構造にするために、さまざまな工夫を凝らしている」としている。
具体的には、X型立体フォルムと補強リブで強化したマグネシウム合金の採用、衝撃による破損やケーブル抜けを防ぐフローティング構造などの内部設計の工夫、筐体構造シミュレーションによる堅牢性追求などを行っている。また、FZ-56では、同社が特許を持つ階段型嵌合構造により、粉塵や水から内部基盤を守っているという。
具体的な現場の利用シーンを提示
今回の説明会では、具体的な現場の利用シーンを示していたのが印象的だった。
青木マネージングダイレクターは、「予期せぬ衝撃が加わりやすい車両整備工場、小麦粉などが舞っているお菓子や食品製造の現場、薬剤の粉などが多い製薬工程現場、土埃が舞う建築現場、急な雨や水しぶきが懸念される物流ターミナル、炎天下のスポーツ取材現場、マイナスの温度環境となる冷蔵倉庫などでの利用を想定している。また、電力施設における停電からの復旧作業、深夜の鉄道保守、空港での航空機の点検などの現場でも利用できる」とした。
さらに、「タフブックは、警察や消防、災害現場など、1分1秒を争い、止めることが許されないミッションクリティカルな現場でも多くの利用実績がある。また、FZ-56は機動性にも優れており、現場とオフィスを移動する際にも適している。過酷な現場が、私たちの暮らしや社会を支えており、ここで使用されるデバイスの停止は、社会の停止につながる。止められない日本の現場に、止まらない安心感を届けることができるのがタフブックである」とも述べている。
なお、2026年4月から同社PC事業を率いることになった青木マネージングダイレクターは、1998年に松下電器産業に入社し、国内の官公庁を担当する公共システム営業本部でキャリアをスタート。2005年からは、パナソニックシステムソリューションズアメリカ社に赴任。2007年に日本に戻り、パナソニックシステムソリューションズ社 セキュリティBUを経て、2011年にはドイツのパナソニックシステムネットワークスヨーロッパ社に赴任。17年間の海外経験を持つ。
2019年には、パナソニックシステムネットワークスヨーロッパ社チーフトランスフォーメーションオフィサーに就任。2025年に、パナソニック コネクト執行役員 アソシエイト・ヴァイス・プレジデント兼パナソニック コネクト ヨーロッパのCEO マネージングダイレクターに就いた。
「多様性がある地域で組織を率いてきた経験、変化が激しい海外市場のお客さまを担当し、各地域の顧客の課題解決に寄り添い、事業の成功に貢献してきた経験を生かし、モバイルソリューション事業の発展に尽力したい」と抱負を述べた。

















