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中国電力、広島と岡山の計算センターをVMware NSXで仮想統合

スマートメーター運用管理システムの基盤を構築

 中国電力株式会社は19日、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)、EMCジャパン株式会社、ヴイエムウェア株式会社と共同で、ネットワーク仮想化技術を活用したスマートメーター運用管理システムの基盤を構築したと発表した。CTCが、EMCジャパンのストレージとヴイエムウェアのネットワーク仮想化ソフトウェアを最適な形で組み合わせ、システム構築を実現している。

 中国電力では、広島・岡山の両県に1カ所ずつ、同様の機能を持たせた計算センターを設置・運用している。この計算センターでは中国電力の全顧客の情報など、重要なデータを収容・管理しているが、電力の小売全面自由化に合わせたスマートメーター導入に伴い、同メーターで記録した30分ごとの電気使用量など、従来から大幅に増加する顧客のデータを、より安全かつ確実に管理するためのシステム基盤の構築が必要となっていた。

 そこで、CTCの運用ノウハウならびにEMCおよびヴイエムウェアの技術を活用して、物理的に離れた位置に所在し、独立して運用してきた2カ所の計算センターを仮想的に1つのネットワークとして統合。両計算センターのインフラを用いて、スマートメーター運用管理システムの基盤を新たに構築することにした。

 具体的には、中国電力の計算センターに設置されているEMCのストレージ「EMC VMAX」を、CTCが「EMC VPLEX」によって仮想化し、さらにヴイエムウェアのソフトウェア「VMware NSX」でネットワーク全体を仮想化して、2カ所の計算センターを1つの仮想環境として統合している。

 これによって、電気の使用量をはじめとする重要なデータが両センターで常に共有され、一方の計算センターでシステム障害が発生した場合でも、他方の計算センターのデータを活用できるため、業務を継続することが可能になった。なお、広島-岡山間(約140km)の長距離間での仮想環境構築は、国内最大規模の事例になるとのこと。

石井 一志