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NTT Com、IoTの相互運用性や動作性能の検証を行う「IoTテストベッド」の運用を11社で開始

 NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は18日、IoT関連の技術や製品を各企業が持ち寄り、相互接続性や動作性能の検証を行う技術検証環境「グローバルクラウドIoTテストベッド」の運用を11社で開始したと発表した。

 IoTテストベッドには、IoTに関連する技術・製品を保有する国内外のハードウェアベンダー、ソフトウェアベンダー、システムインテグレーターなどがアライアンスを組み参加。参加各社にはNTT Comのクラウドサービス「Enterprise Cloud」とグローバルVPN「Arcstar Universal One」を参加期間中無償提供し、それらと各社の最新の技術・製品・サービスを組み合わせて実装に取り組む。

IoTテストベッド システム構成

 IoTテストベッドでの検証テーマのうち、プロトコル変換ゲートウェイを用いたLANとWANの接続テストでは、CC-Link IE、PROFINET、EtherNet/IPなどのベンダー固有の通信プロトコルを通信機器で標準プロトコル(OPC UAなど)に変換し、NTT Comのクラウドへ光ファイバーやモバイル回線で送信し、実際の通信速度やデータ処理性能の限界を測定する。参加企業はNTT Comと株式会社たけびし。

 多拠点大量データの伝送およびリアルタイム処理性能テストでは、さまざまなベンダーのデバイスから送信される大量のデータを損失することなく確実にクラウドで受信し、リアルタイムに処理・蓄積できるネットワーク制御技術やミドルウェア、データベースシステムなどをNTT Comのクラウドネットワーク基盤上で動かし、データ処理性能や動作の安定性、実用性を検証する。参加企業はNTT Com、日本アイ・ビーエム株式会社、日本オラクル株式会社。

 エッジコンピューティング技術の実装テストでは、多数のセンサーやカメラが取得する大量のIoTデータの高速・リアルタイム解析を低コストで実現するため、データ蓄積・処理機能をクラウドのほか通信ゲートウェイなどエッジ(デバイス)側にも分散し、効率的にデータ処理できるエッジコンピューティングシステムをNTT Comのクラウドネットワーク基盤上で構築し、処理性能や動作安定性を検証する。参加企業はイノテック株式会社、インテル株式会社、NTT Com、株式会社関東エルエンジニアリング、シーメンス株式会社、シスコシステムズ合同会社、ネットワンシステムズ株式会社。

 IoTサービスの開発運用業務効率化に向けた各種APIを活用する開発手法の検証では、新たなIoTサービスやアプリケーションの実現可能性を評価するために、必要なデバイス、ネットワーク、クラウド、アプリケーション、セキュリティなどのAPIを、GUIを用いて任意に組み合わせ、短時間・簡易にIoTサービスの機能開発・追加ができる開発環境をNTT Comのクラウド上に構築。その上でPoC開発を実際に行いながら使い勝手を評価し、サービス開発環境のさらなる利便性向上を目指す。参加企業は株式会社ウフルとNTT Com。

 一連の取り組みを通じて得られる成果は、NTT Comのサービス開発・改良に役立てるだけでなく、各業種業界の企業・団体に広く共有していくと説明。また、IoTテストベッドの参加企業・団体は随時募集するとともに、2016年4月以降にはIoTテストベッドをグローバルVPN回線でつなぎ、海外拠点との接続も提供する予定としている。

三柳 英樹