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SAPジャパン、SaaS型の分析ソリューション「SAP Cloud for Analytics」
(2015/12/3 06:00)
SAPジャパン株式会社は1日、SaaS型のクラウド分析ソリューション「SAP Cloud for Analytics」の提供を開始した。
これまでも、SAPジャパンはオンプレミス環境において分析ソリューションを提供し、数多くの実績を誇ってきたベンダーである。しかし今回発表されたSAP Cloud for Analyticsは、同社のクラウドサービス基盤「SAP HANA Cloud Platform(HCP)」をベースに、新たに開発されたソリューションとなっている。
HCPのハイパフォーマンスなインメモリデータベースを分析エンジンとして利用し、企業全体のパフォーマンスをすばやく把握できる画期的なデジタルダッシュボードや、計画、予測、ビジネスインテリジェンス(BI)の機能を提供するという。
SAPジャパン バイスプレジデント プラットフォーム事業本部長の鈴木正敏氏は、「SAP Cloud for Analyticsは柔軟性、拡張性に優れたSaaSのソリューション。クラウドもオンプレミスも透過的に分析できる」とし、「今後も引き続きオンプレミスへ投資を続けていくが、クラウドのサービスも積極的に推進していく」と述べた。
鈴木氏は、企業の意思決定の仕組みには「意思決定のサイロ化」「事業部門主導によるアジャイル的なBI能力の欠如」「柔軟性の欠落」という課題があり、これらの課題を解決するには、誰でも簡単に分析することができる基盤の導入が必要になると指摘。SAP Cloud for Analyticsのコンセプトを「すべてのアナリティクスを、すべてのユーザーに、1つの製品で提供する」であると述べ、業務部門の担当者がITの専門チームに依頼することなく、企業全体の分析をSAP Cloud for Analyticsだけで実現できることをアピールした。
今回提供が開始されたのは、財務部門や業務部門の担当者がITチームに依頼することなく、担当者自身で扱えるBI機能を提供する「Cloud for Analytics for BI」、計画モデルの構築やデータ分析による予測などの機能を提供する「Cloud for Analytics for Planning」、これらの情報をリアルタイムに集約して閲覧するデジタルダッシュボード機能の「Digital Boardroom」である。
SAPジャパン プラットフォーム事業本部 シニアソリューションプリンシパルの高橋正樹氏は、「Cloud for Analyticsは1つの製品ではあるが、今後もコンポーネントを提供していく予定」と述べた。
今回提供が開始された3つの機能のほか、今後は、アナリストが将来予測などより専門的な分析を行うための機能である「Cloud for Predictive」、コーポレートガバナンスやリスク管理向け機能の「Cloud for GRC」を提供する予定であるという。
また、鈴木氏はCloud for Analyticsの販売戦略として、「クラウド型のソリューションで新しいエクスペリエンスを提供する」としたほか、「さまざまなパートナーが提供するサービスとCloud for Analyticsの機能の組み合わせを検討していく」と述べ、すでにSalesforce向けの機能が提供されていることも明らかにした。
なお、Cloud for Analyticsは月額での提供となるが、詳細な費用は公表していない。