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凸版印刷、紙と電子のハイブリッド出版に対応した書籍制作支援クラウドサービス「TOPPAN Editorial Navi」

 凸版印刷株式会社は6日、ワンソースから同時に印刷書籍と電子書籍など複数媒体の書籍制作が可能なクラウドサービス「TOPPAN Editorial Navi」を開発し、出版業界を中心に2015年8月上旬から提供を開始すると発表した。

「TOPPAN Editorial Navi」の概要図

 「TOPPAN Editorial Navi」は、著者、編集者、校正者など書籍制作に携わる人たちが、インターネット上で原稿や進行状況を共有しながら制作が可能で、場所と時間を選ばない合理性を実現。印刷書籍や電子書籍などの仕上りイメージやページ数などを、ウェブブラウザー上ですぐに確認できる。

 校正支援やチェック機能など、凸版印刷が培ってきた書籍制作ノウハウに基づく機能が利用でき、印刷データや電子書籍への変換出力が可能。原稿データはHTMLやCSSなどのウェブ標準技術を用いて、データの汎用性を高めるとともに、多メディア展開が容易に行えるように構造化されて保存される。

 編集・校正支援機能としては、ウェブブラウザー上に仕上りイメージと編集画面を同時に表示し、仕上りイメージを確認しながら編集できるプレビューエディター機能や、仕上りイメージの文字列を選択すると、編集画面も同期して該当文字列が選択され、編集箇所を素早く探し出すことできるカーソル同期機能、文字スタイル付与など容易に行えるマークアップ補助機能などを搭載。画像データパスの不整合や文字化けのチェックなど、凸版印刷の制作工程で効果の高い各種チェック機能も搭載する。

 作成可能なデータ形式は、印刷書籍ではPDF/X-1aに準拠したPDFデータ/文庫・新書等の判型に対応。電子書籍ではEPUB形式/リフロー型電子書籍/BookLiveやAmazonなどの各電子書籍ストアに対応する。動作環境は、対応OSがMac OS X 10.9以降、Windows 8/7。ウェブブラウザーがGoogle Chrome。提供価格は月間制作タイトル数に基づく定額料金および従量課金制。

 凸版印刷では、「TOPPAN Editorial Navi」の提供により、2020年度までに関連受注を含めて100億円の売上を目指す。さらに、今後も開発を進め、一般企業のマニュアルや各種添付文書など、紙と電子のハイブリッド対応のコンテンツ制作が求められる幅広い分野に展開していくとしている。

三柳 英樹