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群馬県、県内すべての消防本部と災害拠点病院/救急医療機関にWindowsタブレットとOffice 365を導入
(2015/6/9 06:00)
日本マイクロソフト株式会社は、群馬県の健康福祉部医療介護局医務課が、119番通報に対応する救急医療や災害医療をより円滑に遂行するために、県内すべての消防本部およびすべての災害拠点病院と救急医療機関にWindowsタブレットを配備し、そのコミュニケーション基盤としてOffice 365を採用したと発表した。
群馬県では、2013年1月に県内のすべての救急車にタブレット端末を初めて配備。救急車の中で、病院側が事前に登録した情報を基にした「受け入れ病院の検索」などに活用していたが、受け入れ先となる病院側には有線LAN接続の専用端末しか配備されていなかった。病院側の状況は個別に電話をかけて確認するほかなく、患者の容態なども口頭での説明に頼っていた。
こうした不便を解消し、モバイル活用のメリットを最大化するため、2015年2月に県内すべての消防本部(11本部)および、すべての災害拠点病院と救急医療機関(計約80病院/機関)にWindowsタブレットを配備するとともに、そのコミュニケーション基盤としてOffice 365の活用を開始した。
群馬県では、採用を決めた理由として以下の項目を挙げている。
・医師や看護師が携帯する上で、日常的な消毒にも耐える耐薬品性を備えたタブレットが必須であること。
・短時間で入力できるように項目のチェック入力が主体となっている統合型医療情報システムにおいて、チェック入力だけでは伝えにくい特記事項などを伝えるためにキーボード入力も必要であること。
・現場のスタッフがWordやExcelなどを利用して普段から多様な業務で活用できるため、広域災害のような緊急時にも、“使い慣れたツール”として威力を発揮できること。
・Office 365を利用することで、ビデオ会議(Skype for Businessを活用)、画像共有、メール、ポータルサイトなど、様々な業務を遂行できる最善の環境を、最小のコストで実現できること。
同ソリューションの活用により、従来は救急隊員の携帯電話から各病院に順番に受け入れを打診していたため、1病院あたりの連絡確認に2~3分、確認に5件かかると計15分かかっていた時間が短縮され、複数病院への打診が一度に完了するようになった。加えて、事故現場や心電図などの画像をすぐに共有できるようになったことで、口頭では伝えきれない膨大な情報を医師に提供でき受け入れ可否を判断しやすくなったことから、救急患者の搬送までの時間短縮と受け入れ後の対応の円滑化を実現した。
群馬県健康福祉部医療介護局医務課救急災害医療係係長の太刀川裕之氏は、「多忙を極める現場に抵抗なく受け入れてもらうためには、普段使い慣れているPC環境と同じ操作性であるWindowsタブレットが適していました。さらに、WordやExcelなどが利用できれば、日頃から活用されやすくなるでしょう。広域災害のような緊急時に威力を発揮できるのは、“使い慣れたツール”だけですから、この点は非常に重要です」とコメントしている。