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NEC、SDNネットワークの動的な状態変化を高速検証する技術を開発
(2014/9/11 12:23)
日本電気株式会社(以下、NEC)は、SDN(Software Defined Networking)を活用して構築したネットワークが正しく動作することを、高速に検証可能なソフトウェア技術を開発したと発表した。従来技術と比べ、約10倍の速度で検証を行えるという。
SDNを用いたネットワークでは、アプリケーションでネットワークを制御することによって、ネットワーク機器の状態変化や通信パケットの移動などが生じるが、ネットワークの動作検証は、こうした変化が起きた各瞬間を「ネットワーク状態」として規定して行っている。
今回の技術では、主に3つの手法を組み合わせて検証時間の短縮を実現した。まず、「ネットワーク状態」の検証における行程履歴を記録・管理することで、すでに検証済みの「ネットワーク状態」と同一の状態が現れた際は、その状態に対する検証を省略する。これにより、処理の重複をなくした。
また、通信パケットはネットワーク上のスイッチを順番に経由して送信先へ移動するが、従来技術では、複数の通信パケットが同一の送信先へ移動する際、スイッチを経由する順番を組み合わせたすべての「ネットワーク状態」を検証していた。新技術では、順番を問わず、1通りの移動順の組み合わせのみ検証を行うことで、検証時間を大幅に短縮する。
さらに、従来は通信パケットの送信先アドレスなどの属性情報ごとに動作検証を行っていたが、これをあらため、送信先のアドレスなど、共通の属性情報を保有する通信パケットの検証処理をまとめて行うことで、検証が必要となる「ネットワーク状態」の数を大幅に削減し、検証作業を効率化している。
これら3つの手法を組み合わせることで、モデル検査の典型的な探索方式である「深さ優先探索方式(depth-first search:dfs)」のような従来の検証技術と比べ、約10倍の速さで動作検証が可能になるため、ネットワーク構築に要する作業時間を低減できるほか、より信頼性・可用性の高いネットワーク構築を実現するとのことだ。