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ライフサイズ、ビジネス向けビデオコラボレーションをクラウドで提供

米Lifesize創業者兼最高経営責任者のクレイグ・マロイ氏

 ライフサイズ・コミュニケーションズは5月29日、ビデオコラボレーションをSaaSで提供する「Lifesizeクラウド」を、日本で7月より提供開始すると発表した。

 「Lifesizeクラウド」は、ソフトウェア、ハードウェア、サービス、ユーザー・エクスペリエンスを統合し、スマートフォン、タブレット、ノートPCなどあらゆるデバイスと会議室にビデオコラボレーションをSaaSで提供するクラウドサービス。

 米Lifesize創業者兼最高経営責任者のクレイグ・マロイ氏は、「Lifesizeクラウド」を展開する市場背景について、「昨今、スマートフォンやタブレットの普及、および無料アプリケーションの拡大により、コンシューマを中心にビデオコミュニケーションの利用が急速に広がりつつある。これにともない、ビジネスにおいても、ノートPCやモバイル端末を活用したビデオコラボレーションのニーズが高まってきている。また、様々な業務アプリケーションがクラウド基盤に移行しているなかで、ビデオコラボレーションについてもオンプレミス型からクラウドへの変革が求められている」と話す。

 マロイ氏は、「従来のオンプレミス型のビデオコラボレーションは、機能拡張が難しく、ユーザー体験が乏しい上に、専用のIT管理と設備投資が必要であり、フラストレーションがたまる複雑で高価なものだった。そのため、オンプレミス型のビデオインフラや高価なビデオ会議システムを取り扱う市場は急速に縮小しているのが実状だ」と、ビデオコラボレーション市場は大きな転換期に来ていると指摘。

 「これに対して、『Lifesizeクラウド』では、会議室だけでなく、ノートPCやモバイル端末を活用し、いつでもどこでもダイレクトコールまたは仮想会議で、1対1、1対多数などすべての利用者に、高品質のビデオコラボレーションを提供することが可能となる。さらに投資コストも抑えることができる」と、クラウド型ビデオコラボレーションのメリットを強調した。

「Lifesizeクラウド」の初期設定デモ

 「Lifesizeクラウド」の利用手順としては、サービス契約後、Lifesize.comでアカウントを開設し、コミュニケーションしたい相手を招待する。任意のデバイスに必要なアプリをインストールし、会議室のデバイスをテレビとネットワークに接続して、ログインするだけでビデオコミュニケーションを容易に利用することができる。複雑な設定などは、すべて「Lifesizeクラウド」側で対応し、共有ディレクトリやクリックコール、即時またはスケジュールしたコール、単独およびグループコール、プレゼンテーション共有など、1つのツールで様々なコミュニケーション機能を提供する。

 「コンシューマ向けの無料アプリケーションや、『ミートミー』ウェブビデオサービスでは対応できないビジネス向けのコミュニケーション機能をすべて網羅し、スマートフォンやタブレット、ノートPCなどのあらゆるデバイスと会議室に、高品質のビデオコラボレーション体験を提供できるのは、『Lifesizeクラウド』が唯一のクラウドサービスとなっている」(マロイ氏)としている。

「Lifesizeクラウド」による多地点ビデオコラボレーションのデモ

 なお、発表会では、「Lifesizeクラウド」による、日本とオーストラリア、シンガポール、アメリカをつないだ多地点ビデオコラボレーションのデモが行われた。

 価格は、1ユーザー月額25ドルからの年間購入プランとなり、最大25拠点で利用することが可能。販売は、全世界のLifesizeのパートナーネットワークを通じて行う。「Lifesizeクラウド」の全機能を利用できる14日間の無償トライアルを同社Webサイトで提供している。

唐沢 正和