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ANAがクラウド音声通話基盤を構築、「働き方改革」を促進へ

NTT Com「Arcstar UCaaS」を採用

 全日本空輸株式会社(ANA)が、NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)のクラウド型コミュニケーションサービス「Arcstar UCaaS」を採用した。ANAグループ全世界の拠点、空港内オフィス、拠点外からも利用する音声基盤として、2014年より順次運用を始める。

 新音声基盤は、拠点内外のIP電話やスマートフォンから内線・外線を利用できるマルチデバイス対応のコミュニケーション機能、携帯端末からもセキュアに閲覧可能なクラウド電話帳機能、モバイルデバイス管理(MDM)機能を搭載するほか、各種会議機能を容易に追加できる拡張性を備える。

 クラウドサービスを活用して、約7000台の固定電話端末のIP電話化、約1万台のモバイル端末の内線化を予定。従来の拠点ごとのPBX利用時と比べて大幅なコスト削減を実現するという。

 クラウド電話帳は、デバイス側に連絡先情報や発着信履歴を保存せず、セキュアに閲覧・管理できるほか、連動するANAグループ社員録の発信元情報がデバイス上にポップアップ表示される仕組みも。約1万台のモバイル端末での利用を予定する。

 MDMでは、スマートデバイスの遠隔ロックやセキュリティポリシーの一元的な適用などの機能を実現。こちらも約1万台に導入する予定という。

新音声基盤の概要

 ANAグループでは、パイロットや客室乗務員、各国空港などで業務に携わる地上勤務職員や整備士などを含む、約3万3000人の従業員が屋内外問わず多様な環境下で業務を行っている。その多様な環境にも対応できる利便性の高いICTの導入――例えば、スマートデバイスの積極活用などで、さらなる生産性・サービス品質の向上を目的とする「働き方改革」を推進している。その実現のため、今後の機能拡充に柔軟に対応するICT基盤として、「rcstar UCaaS」を採用した。

川島 弘之