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ANA、運航遅延・欠航を知らせるメール配信システムを強化

オラクルの「Exadata」「GoldenGate」採用

 全日本空輸株式会社(ANA)が、国内路線の乗客を対象とした新メール配信システムを強化。運航遅延・欠航などの突発的な変更を知らせるメール配信先を、搭乗手続きを済ませた顧客だけでなく、予約保持顧客にも拡充した。新システムには、オラクルの高速データベース・マシン「Oracle Exadata Database Machine(以下、Exadata)」とリアルタイム・データ統合製品「Oracle GoldenGate(以下、GoldenGate)」が採用されている。

 国際的な競争が激化する中、顧客サービスの向上に取り組むANA。オンラインでチケット予約・購入・座席指定を済ませると、空港で搭乗手続きすることなく、直接保安検査場に進めるようになった一方、利用者と係員の接点が少なくなってきたことから、運航情報をよりタイムリーに伝えられるメール配信システムの強化に踏み切った。

 その基盤として、ExadataとGoldenGateを採用。「大量の顧客データから配信対象の絞り込みを短時間で完了できること」「システム強化に伴う基幹業務システムへの影響を極小化すること」「予約の処理量が増大する繁忙期や突発的な事象が発生した際に、一時的に増大するデータに対応できる処理性能を確保できること」を重視し、事前検証を行った結果、これらの製品により想定負荷に対する十分以上の処理性能が得られ、リアルタイムデータ連携もミリ秒単位で行えたことを評価した。

 ソフトウェアとハードウェアが事前に最適化された「エンジニアド・システム」により、当初13カ月を想定していたい開発期間を8カ月に短縮できたという。

 新しいメール配信システムは、メール配信準備作業を大幅に短縮し、基幹業務に影響を与えることもなく運航情報を配信可能に。配信先も搭乗手続きを済ませた顧客だけでなく、予約保持顧客まで幅広く対応できるようになったとしている。

川島 弘之