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弥生、最新の14シリーズを10月18日に発売~消費税8%に対応
例年より発売時期を前倒し、ユーザーサポートを強化
(2013/10/8 06:00)
弥生株式会社は、消費税8%増税にも対応した新製品「弥生 14シリーズ」を10月18日に一斉に発売する。
例年新バージョンは11月から12月上旬にかけて発売することが多いが、今回は新消費税対応というトピックがあるため、例年よりも前倒しで発売する。いち早く新消費税8%に対応する狙いを、弥生の代表取締役社長である岡本浩一郎氏は、「4月8日にはWindows XPサポート終了切れというトピックもあり、3月、4月という忙しい時期に向け、できるだけ早く準備ができる体制を整えてもらいたいという狙いから、例年よりも早く発売することとした」と説明している。
10月18日に発売するのは、会計・申告ソフトの「やよいの青色申告14」、「弥生会計14 スタンダード」、「弥生会計14 プロフェッショナル」、「弥生会計14 プロフェッショナル 2ユーザー」、給与ソフトの「やよいの給与計算 14」、「弥生給与14」、販売管理ソフトの「やよいの見積・納品・請求書 14」、「弥生販売14 スタンダード」、「弥生販売 14 プロフェッショナル」。価格はいずれもオープン価格。
今回、2014年4月に導入が決まった消費税8%にいち早く対応する。岡本社長はこの狙いについて、次のように説明する。
「9月30日までに契約した請負契約に関しては消費税は5%のままにするという経過措置が適用されるが、10月1日以後は来年4月以降に引き渡しの案件については、消費税5%ではなく、8%で計算しなければならない。このため、弊社サポート窓口にも新消費税への対応に関する問い合わせがすでに発生している。9月に行ったアンケートでは消費税アップの影響があると答えたお客様は56.8%に及ぶが、具体的な対策は決定していないというお客様が68.4%と3分の2以上という結果となった。当社としてはソフトウェアでの対応、サポート・サービスでの対応という2面で新消費税への対応支援を行う。」
ソフトでは「弥生会計14/やよいの青色申告14」に、取引日付に応じた税率の自動判定機能、税率ごとの消費税集計機能、改正消費税申告書への対応機能を付加。
「弥生販売14/やよいの見積・納品・請求書 14」では取引日付に応じた税率の自動判定、税率ごとの消費税集計、税込み商品単価の一括変更機能を付加した。
サポート・サービスとしては、弥生14シリーズの新規購入者に、「あんしん保守サポート」を最大15か月、無償で提供する。このサポートでは14の次の「弥生15シリーズ」を無償で提供すると共に、「あんしんサポートとはどんなサービスか、体感してもらい、今後有償サポート契約者を増加につなげることが狙い」となる。
さらに「消費税改正業務相談」をスタートし、基本的な質問に電話、メールで答える。それを実施するために、サポート体制も大幅に強化し、札幌カスタマーセンターを増床し、大阪カスタマーセンターと合わせて630席体制とした。
弥生からの情報発信としても製品サポート・業務情報、新機能として「弥生メッセージセンター」という情報発信を実施。さらに、新シリーズ発売と同時に、「新・消費税あんしん準備委員会」というサイトを公開し、弥生のユーザー以外にも広く、小規模企業に向けた新消費税に関する情報を提供していく。
また、弥生14の新機能として、(1)従来のデータバックアップサービスを一新し、マイクロソフトのWindows Azureを採用したクラウドを使ったデータ保管サービスを提供。このサービスを利用すればリアルタイム情報共有が可能となることから、会計事務所と顧問先の情報共有サービスとしての活用を推進、(2)初めての人にも業務の流れが理解しやすい「クイックナビゲータ」を完全リニューアルし、高解像度PCでもより見やすく、ヘルプ系コンテンツを集約し、困った際にはいつでもアクセス可能なものへとリニューアル、(3)法令改正に関する情報や製品アップデートのお知らせなどを提供する「メッセージセンター」を提供、(4)弥生給与の新機能として、年末調整機能を改善し、業務と操作の流れがわかる年末調整ナビを利用することで、迷うことなく年末調整業務を行え、処理速度も大幅に改善、(5)銀行取引自動取り込み対象の金融機関をさらに10行追加――などを実現した。
Windows XPのサポート終了については、「サポート終了アナウンスを理解するユーザーが増えたことで、以前は30%を大きく超えていたXP利用者の割合が現在は25%まで減少し、確実に減少する傾向にはある。しかし、実際のところサポート終了までに0%になるのは難しいと見ている。少しでも早い移行が進むように、新しいパソコンへの買い換え支援、データ移行支援、弥生以外のデータの移行支援という3つの支援策を実施している」と移行支援を進めているという。
また、岡本社長は2013年度の業績について、本数59.4%、金額シェアが73.8%といずれも前年を上回っていると説明。要因として、青色申告ソフトの本数シェアが68.1%に、会計ソフトの本数シェアが64.3%と好調なことを挙げた。9月末までに登録ユーザー数は110万社。累計出荷本数は400万本、あんしんサポートの新規加入率は70.1%、契約継続率は89.1%となっている。
市場全体としても、「シェアが伸びても市場が低迷していては意味はないが、当社が牽引役となって本数、金額ともに市場は成長している」と説明する。その結果、2013年9月末の業績は、「監査済みではない速報値となるが、111億3000万円の売上となった。初めて売上が100億円を突破した2012年度をさらに上回る実績となった」という。
なお、オンラインサービスについては、「2014年1月に新サービスを開始する予定で、詳細については改めて発表する。これまで当社がリーチできていなかったお客様にリーチするサービスとなる」と説明している。